セラミック治療は、高品質の歯を手に入れられる治療です。
当然、審美性も歯がない場合と比べると格段にアップします。
しかし、セラミック治療直後の生活においては、ある程度の制限が生じます。
今回は、セラミック治療直後の夕食で心掛けたいことについて解説します。
セラミック治療直後の夕食で心掛けたいこと4選
セラミック治療を受けた直後の夕食では、主に以下のことを心掛けなければいけません。
・麻酔が完全に切れてから食事を摂る
・硬いものや粘着性の高い食材を避ける
・極端に熱いものや冷たいものを避ける
・治療部位と反対側の歯で慎重に噛む
各項目について詳しく説明します。
麻酔が完全に切れてから食事を摂る
セラミックを歯に装着する際には、治療中の痛みや不快感を抑えるために局所麻酔を使用することが一般的です。
この麻酔の効果は治療が終了した後もしばらく続くため、帰宅して夕食をとる時間になっても、まだ口の周りや舌の感覚が鈍っていることが多々あります。
一般的には治療が終わってからおよそ2~3時間は麻酔が効いた状態が維持されるため、この時間帯の食事には細心の注意が必要です。
感覚が麻痺している状態で慌てて夕食を口にしてしまうと、口内を誤って深く傷つけてしまうリスクが非常に高まります。
自分では正しく噛んでいるつもりでも頬の内側の粘膜や唇、あるいは舌を強く噛んでしまうことがあり、麻酔が切れた後に激しい痛みや大きな口内炎に悩まされる原因になります。
さらに、熱いスープや出来立てのおかずを口に運んだ際にも温度を正しく認識できないため、口の中を大火傷してしまう危険性も否定できません。
このようなトラブルを未然に防ぐためにも、当日の夕食は少し時間を遅らせるなどして、確実に麻酔が切れたことを確認してから箸をつけるようにしてください。
触ったときに自分の感覚がしっかりと戻り、唇を動かしても違和感がない状態が食事を始める目安です。
どうしても空腹を我慢できない場合には、噛む必要が一切ないゼリー飲料や、冷ましたスープなどを、治療した側とは完全に反対の歯を使って流し込む程度にとどめるのが賢明です。
硬いものや粘着性の高い食材を避ける
セラミックは天然の歯に匹敵するほどの非常に高い強度を持った優れた素材ですが、歯に装着した直後からその本来の強さを完全に発揮できるわけではありません。
セラミックを歯に固定するために使用する歯科用の接着剤が内部まで完全に硬化して強固に安定するまでには、実は数時間から半日以上のまとまった時間が必要とされています。
そのため、装着直後の夕食では、接着面に強い負荷をかけるような食材は確実に避ける必要があります。
具体的には、おせんべいや硬いクッキー、フランスパン、ナッツ類、軟骨といった、噛むときに大きな力が必要となる硬い食べ物は当日のメニューから必ず外してください。
これらの食材を強く噛んだ瞬間に生じる鋭い衝撃は、セラミックがその場で欠けてしまったり、歯から剥がれ落ちて外れたりする直接的な原因になります。
またお餅やガム、キャラメルのような粘着性が高い食べ物や、イカやタコのように弾力があって何度も噛みちぎる必要がある食材も同様に危険です。
これらはセラミックを垂直に引っ張る力を生じさせるため、せっかく固定した歯を浮かせてしまうリスクを高めます。
したがって、当日の夕食に選ぶべきなのは、あまり力を入れずに前歯で噛み切ることができ、奥歯で簡単にすり潰せるような優しいメニューです。
じっくりとやわらかく煮込んだうどんやおかゆ、豆腐料理、柔らかいハンバーグやスープの具材などが最適であり、これらを中心に選ぶことでデリケートな歯を守ることができます。
極端に熱いものや冷たいものを避ける
セラミック治療を進める過程では、虫歯になった部分を削り取ったり、被せ物や詰め物がキレイに収まるように歯の形を細かく整えたりするためにエナメル質を削っています。
この処置を施された直後の歯は、神経を保護する壁が一時的に薄くなっている状態にあるため、外部からの刺激に対して非常に敏感な状態に陥っています。
このようなタイミングで、極端に熱いものや冷たいものを口にしてしまうと、その温度変化が神経へダイレクトに伝わり、激しい痛みや突き抜けるようなしみを引き起こします。
具体的には、出来立ての味噌汁や鍋料理、熱いお茶やコーヒー、あるいは氷がたくさん入った冷たいドリンクやアイスクリームなどは、当日の夜は避けた方が無難です。
特に口内における急激な温度変化の繰り返しは、過敏になっている歯の神経に大きな負担をかけるだけでなく、セメントの微細な体積変化を招くおそれもあります。
そのため、治療直後の夕食時に口にする飲み物や食べ物は、基本的には人肌程度のぬるま湯や、調理後に少し時間を置いて常温に近づけた状態で摂取するよう心がけてください。
万が一、マイルドな温度の食事であっても歯にしみるような感覚がある場合は、無理にその部位を使わず、治療した場所とは反対側の歯を使って水分や栄養を補給しましょう。
治療部位と反対側の歯で慎重に噛む
新しいセラミックの歯が口内に入ると、治療が一段落した安心感も手伝って、噛み心地を確かめたくなったり、普段通りに両側の歯で噛んで食事を楽しみたくなったりするものです。
しかし、前述の通り接着剤が完全に馴染んで安定するまでの間は、新しく治療した部位に不必要な振動や強い負荷を一切かけないことが、トラブルを未然に防ぐための鉄則です。
実際の食事の進め方としては、口に運ぶ食材はすべてあらかじめ箸やナイフで一口サイズよりもさらに小さくカットしておく工夫が効果的です。
そして前歯で噛みちぎるような動作は絶対に避け、治療した側とは反対側にある健康な奥歯の上に食べ物を直接乗せるようにして、ゆっくりと咀嚼することを徹底してください。
特に前歯のセラミック治療を行った場合は、サンドイッチや果物を丸かじりするような動作は接着面に大きな斜め方向の力が加わるため非常に危険です。
そのため、細かくちぎって奥歯で食べる方法を徹底する必要があります。
また治療直後は麻酔の残りの影響や、口の中に新しい素材が入ったことによる違和感から、噛み合わせがいつもより高く感じられるケースが少なくありません。
このときに、噛み合わせの感触を確かめようとして、カチカチと何度も強く歯を噛み合わせたり、無意識に歯ぎしりをするように擦り合わせたりするのはNGです。
セラミックに想定外の偏った圧力をかけることになり、破損やひび割れを招きます。
もし翌日以降も明らかに噛み合わせの高さに違和感が残るのであれば、無理に自分で噛み慣らそうとはせず、速やかに歯科クリニックで適切な調整を依頼することが大切です。
まとめ
セラミック治療はとても高品質な治療ですが、当然デメリットがないわけではありません。
そのことを理解し、特に治療直後の過ごし方には気を付ける必要があります。
また治療からしばらく経過しても、歯科クリニックでメンテナンスを受けていなければ、歪みや脱離といったトラブルが起こりやすくなります。
そのため、アフターケアの意識も強く持たなければいけません。

