セラミック治療は、審美的な意味合いの強い治療です。
つまり歯の機能性を回復させるだけでなく、見た目もキレイにしてくれる治療だということです。
しかし、場合によっては治療を受けた後、セラミックの歯だけが周囲の天然歯と比べて浮いてしまうことがあります。
今回はこちらの主な原因について解説します。
セラミックの色が浮いてしまう原因4選
治療後にセラミックの色が浮いてしまう主な原因としては、以下のことが挙げられます。
・周囲の天然歯のホワイトニング
・歯茎の後退と土台の露出
・光の透過性の違い
・歯科クリニック側のミス
各項目について詳しく説明します。
周囲の天然歯のホワイトニング
セラミック自体は、治療時に色を決定して焼き固めると、その後に変色や退色をすることがほとんどありません。
一方で、天然歯は加齢や日々の飲食による着色、あるいはホワイトニング治療によって大きく色調が変化します。
セラミックを入れた後に周囲の歯の黄ばみが気になり、ホワイトニングを行った場合、天然歯だけが白くなります。
その結果、治療時に周囲の歯の色に合わせて作ったセラミックが相対的に黄色く、あるいは暗く浮き上がって見えるようになります。
逆に、ホワイトニングをして白くなった歯の色に合わせてセラミックを作った後、しばらくするとホワイトニングの効果が薄れます。
この場合、今度はセラミックだけが不自然に白く浮いてしまいます。
このようなトラブルを防ぐためには、ホワイトニングの計画をセラミック治療の前にしっかりと立てる必要があります。
一般的には、まずホワイトニングを行って目標の白さに到達させ、その色調が安定するまで数週間待ってから、その白さに合わせてセラミックの色を決定・作製するのがセオリーです。
歯茎の後退と土台の露出
審美性の高いセラミック治療ですが、口の中の環境は年齢とともに変化します。
特に加齢や歯周病、あるいは毎日の強すぎるブラッシングなどが原因で、歯を支えている歯茎が徐々に下がってしまう歯肉退縮が起こることがあります。
歯茎が下がると、セラミックの被せ物と、自身の歯の根元との境目が表面に露出してしまいます。
もし歯の根っこが神経のない歯で黒ずんでいたり、過去の治療で金属製の土台が使われていたりすると、黒い部分や金属の銀色が露出した隙間から透けて見えるようになります。
これにより、歯の根元に黒いラインが浮き上がり、セラミックの白い歯とのコントラストで非常に不自然な見た目になってしまいます。
これを防ぐためには、セラミックの土台に金属ではなく、光を透過する白いファイバーコアを使用することが有効です。
また、治療後も定期的な歯科クリニックでのクリーニングや正しいシャカシャカ磨きを継続し、歯周病を予防して歯茎の健康と位置を維持することが重要なポイントとなります。
光の透過性の違い
歯の見た目の自然さは、単に表面の色だけでなく、光をどれだけ通すかによって大きく左右されます。
天然の歯は、表面の透明なエナメル質と、内側の不透明な象牙質が重なっていて、光が内部まで入り込んで複雑に乱反射するため、独特の奥行き感と透明感があります。
セラミックの素材選びや構造において、この光の透過性の再現が不十分だと、色が浮いて見えます。
例えば、強度は非常に高いものの透明感が少ないジルコニアをそのまま前歯に不適切に使用すると、光が内部を通り抜けずに表面で強く跳ね返ってしまいます。
その結果、色自体は周囲と同じ白さであっても、透明感がまったくないマットな白さやチョークのような不自然な白さになり、隣の天然歯から浮き上がってしまいます。
特に光が当たりやすい前歯部では、この質感の差が顕著に現れます。
より自然な仕上がりを求める場合は、光を美しく通すオールセラミックや、ジルコニアの表面にセラミックを盛り付けたレイヤリングジルコニアを選択することが推奨されます。
歯科クリニック側のミス
セラミックの色を決める作業をシェードテイキングと呼びます。
これは歯科医師や歯科技工士がシェードガイドという色見本を患者さんの歯に当てはめ、最も近い色調や明度を選ぶプロセスです。
この段階での環境や技術に問題があると、完成したセラミックの色が浮いてしまいます。
例えば、診察室の照明が一般的な蛍光灯のままであったり、外からの直射日光が強すぎたりすると、人間の目の錯覚を引き起こし、正しい色を識別できなくなります。
また、患者さんが色の濃い服を着ていたり、口紅を塗ったままであったりする場合も、その対比で歯の色を見誤ることがあります。
さらに、人間の歯は1本の中でも根元が黄色く、先端に向かって透明感が増すというグラデーションを持っています。
これを考慮せず単一の色として技工士に指示を出してしまうと、のっぺりとした人工的な歯が出来上がってしまいます。
このミスを回避するため、審美治療に力を入れている歯科クリニックでは、高演色LEDライトを使用したり、一眼レフカメラで天然歯の写真を撮影したりといった工夫をします。
場合によっては、歯科技工士が直接立ち会って患者さんの歯の色を直接確認し、ミリ単位の色調や模様を再現する工夫が行われます。
まとめ
セラミック治療を受け、キレイな歯を手に入れたとしても、その歯だけが浮いてしまうと全体的な審美性をアップさせることはできません。
そのため、ホワイトニングとの組み合わせには十分注意し、治療後も定期的なメンテナンスに通う必要があります。
またセラミックの素材や歯科クリニックを選ぶ際には、十分な時間をかけることをおすすめします。

