セラミック治療には明確な年齢制限が存在せず、理論上は歯さえあれば誰でも受けることができます。
特に中高年の方はもっとも最適と言える年齢であり、虫歯や歯周病の治療とセットで行われるケースが多いです。
今回は、中高年の方のセラミック治療におけるポイントについて解説します。
中高年の方のセラミック治療における主なポイント5選
40~50代くらいの中高年の方がセラミック治療を受ける場合のポイントとしては、主に以下のことが挙げられます。
・二次虫歯の防止
・歯周病リスクの軽減と歯茎の健康維持
・残存歯の破折を防ぐ弾性の選択
・噛み合わせの再構築による全身への影響
・経済的なメリットとしての医療費控除
各項目について詳しく説明します。
二次虫歯の防止
中高年になると、過去に治療した銀歯の下で虫歯が再発する二次虫歯のリスクが急増します。
銀歯は接着剤が経年劣化しやすく、生じた隙間から細菌が侵入しやすいのが難点です。
一方、セラミックは歯科用レジンを用いて歯と化学的に合着するため、隙間がほとんど生じません。
またセラミックの表面は非常に滑らかで、プラークが付着しにくい特性があります。
中高年層にとって、一本の歯を失うことは噛み合わせの崩壊につながる一歩となるため、治療のやり直しを最小限に抑えることは、歯の寿命を延ばすための最大のポイントです。
歯周病リスクの軽減と歯茎の健康維持
中高年の方の多くが直面する課題が歯周病です。
保険診療で使用される金銀パラジウム合金は、長年の使用で金属イオンが溶け出し、歯茎を黒ずませる原因になるだけでなく、金属のザラつきが細菌の温床となります。
一方セラミックは生体親和性が高く、金属アレルギーの心配がないため、歯茎が炎症を起こしにくいのが特徴です。
特に年齢とともに歯茎が下がってきた際、金属の縁が見えてしまう心配もありません。
清潔な状態を維持しやすいセラミックを選択することは、歯周病の進行を抑え、土台となる歯茎の健康を守るために非常に有効な選択肢となります。
残存歯の破折を防ぐ弾性の選択
加齢とともに、歯そのものがもろくなり、強い力がかかると歯の根が割れる歯根破折を起こしやすくなります。
従来の銀歯は天然歯よりも硬すぎるため、噛む力が直接自分の歯の根にダメージを与えてしまうことがありました。
最新のセラミック治療、特にジルコニアやハイブリッドセラミックなどでは、天然歯に近い摩耗性や適度なしなりを持つ素材を選択できます。
これにより、周囲の健康な歯を傷つけず、自分の歯を守るクッションのような役割を果たします。
単に硬い素材を選ぶのではなく、自分の噛み合わせの強さに応じた素材選びが、中高年の方の治療には不可欠です。
噛み合わせの再構築による全身への影響
中高年になると、長年の摩擦や過去の不適切な治療により、噛み合わせの高さが低くなっているケースが多々あります。
噛み合わせの乱れは、肩こり、頭痛、あるいは姿勢の悪化といった全身の不調に関与することが指摘されています。
セラミック治療では、仮歯の段階で精密に噛み合わせを調整し、理想的なバランスを再現することが可能です。
ただ白い歯を入れるのではなく機能的な噛む力を取り戻すことで消化を助け、認知症予防や運動機能の維持など、健康寿命の延伸に寄与するトータルなアプローチが期待できます。
経済的なメリットとしての医療費控除
セラミック治療は高額な自由診療となりますが、中高年の方が見落としがちなのが医療費控除の活用です。
医療費控除は、年間に自身や家族のために支払った医療費の合計が10万円(所得200万円未満の方は所得の5%)を超えたとき、確定申告で税負担を軽減できる制度です。
最大200万円まで控除され、還付金が戻る可能性があります。
具体的には容姿を整えるための美容目的ではなく、歯科医師が“噛む機能の回復に必要”と判断した治療であれば、確定申告を行うことで所得税の還付や住民税の軽減が受けられます。
ここでいう“噛む機能の回復に必要な治療”には、当然セラミック治療も含まれます。
これにより、実質的な自己負担額を抑えることが可能です。
一本あたりの単価だけで判断せず、10年20年先までのメンテナンス費用や再治療のリスク、税制優遇を含めた生涯コストで検討することが、賢明な判断のポイントとなります。
ちなみに医療費控除の具体的な流れとしては、2~3月の確定申告期間中に、管轄の税務署へ医療費控除の明細書を確定申告書に添付したものを提出します。
e-Tax(電子申告)やマイナポータル連携を利用すると、自動入力が可能なため便利です。
まとめ
年齢を重ねてもセラミック治療は受けることができ、中高年の方も当然問題なく受けられるケースが多いです。
もっと言えば、70代以上でも健全な歯さえあれば、審美性の高いセラミックの歯を手に入れることができます。
しかし、セラミック治療を受けるだけで満足せず、中高年以降ならではの問題と向き合いながら、長期間セラミックの状態を維持することが大切です。

