セラミックは銀歯やレジンなどと比べて高品質ですが、それでも装着したものが外れたり、割れたりしてしまうことはあります。
またセラミックに問題が生じた場合は、歯科クリニックで再治療を受けなければいけません。
今回は、症状に合わせて選択される再治療の方法について解説します。
セラミック治療の再治療方法3選
セラミックの問題を解決するための再治療方法は、主に以下の3つです。
・再装着
・修復
・再作製
各項目について詳しく説明します。
再装着
治療を受けた後、セラミックが治療箇所から外れてしまった場合、再装着が選択されるケースが多いです。
セラミックが外れてしまう主な原因としては、二次虫歯が挙げられます。
二次虫歯は、セラミックを装着した内部で虫歯を発症するというものです。
セラミック自体が虫歯菌に侵されることはありませんが、セラミックの下は天然歯であるため、虫歯を発症することがあります。
また二次虫歯により、セラミックの土台となっている天然歯が変形すると、セラミックの安定感がなくなって外れることがあります。
ちなみにセラミックの再装着は、消毒して再び同じセラミックをつけるだけであるため、1~2回の通院で済みます。
ただし二次虫歯は先に治療しなければいけませんし、土台の歯の問題が著しい場合は再装着を選択できないこともあります。
修復
セラミックの再治療方法としては、修復も挙げられます。
こちらはセラミックが小さく欠けた場合に選択されることが多いです。
セラミックが小さく欠ける主な原因は、歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの不良などです。
歯ぎしりや食いしばりは、主に就寝中無意識に行われるものですが、セラミックにかかる負担は計り知れません。
そのため、継続的に行われると、いくら硬度のあるセラミックでも欠けてしまうことがあります。
セラミック治療の後、他の歯が抜けたことなどによって噛み合わせが悪くなると、特定の部位に過度な力が集中します。
このとき力が集中するのがセラミックである場合は、割れや欠けを引き起こすことが考えられます。
またセラミックの修復については、主に研磨が用いられます。
欠けた部分を研磨し、形を整えることで、セラミック本来の機能性や審美性を取り戻します。
ちなみに欠けたセラミックの破片を患者さんが持っている場合は、そのまま特殊な接着剤で接着することも可能です。
再作製
再作製は、一からセラミックをつくり直すという再治療方法です。
こちらはセラミックに大きな破損が見られる場合に選択されます。
高品質のセラミックが大きく割れてしまう原因としては、主に外部からの強い衝撃が挙げられます。
例えば、交通事故や転倒などで顔面付近に強い力が加わった場合、セラミックが大きく割れてしまう可能性が高いです。
また極端に硬いものを噛んだ場合、食べ物が割れた瞬間の衝撃でセラミックも大きく破損することがあります。
セラミックはある程度の硬さがありますが、上記のような瞬間的な強い力には弱いです。
またセラミックのつくり直しを行う際は、まず割れてしまったセラミックを外し、歯の状態を確認した後、必要に応じて治療やクリーニングを行います。
その後、再度型取りを行い、新しいセラミックを作製して装着します。
これらの工程は必須であるため、以前のキレイなセラミックに戻すまでにはある程度の時間がかかります。
ちなみに、セラミックのつくり直しは、単純にセラミックの寿命が訪れたタイミングでも行われます。
明らかに接着剤が劣化し、何もしていないにもかかわらずセラミックがぐらつき始めている場合などは、寿命が訪れたと判断できます。
セラミックの寿命は一般的には10~15年程度ですが、ケアやメンテナンスの仕方によってはそれより短くなる場合がありますし、長くなる場合もあります。
セラミックの歯の問題を放置するとどうなる?
セラミックが外れた状態を放置すると、噛み合わせが悪くなって噛み合う天然歯に与えるダメージが大きくなります。
もちろん土台となる歯もどんどん変形していくため、簡単な治療でセラミックをもう一度装着することもできなくなります。
またセラミックの歯が割れた場合、審美的な変化も起こります。
特に前歯の場合、笑ったり話したりする際に欠けた部分が気になりやすく、周囲からも注目されやすくなります。
さらに、セラミック自体は人工物のため痛みを感じることはありませんが、セラミックが割れてその下の天然歯が露出すると痛むことがあります。
もちろん食べ物が割れた部分に引っかかったり、硬い食べ物が食べられなくなったりと、食事にも悪影響を及ぼします。
まとめ
注意事項を守りつつ、食事を摂ったり適切なメンテナンスを行っていたりすれば、簡単にセラミックにトラブルが起こることはありません。
しかし、もしセラミックが取れたり割れたりしたのであれば、早急に歯科クリニックに相談する必要があります。
特に大きな破損の場合、つくり直しが必要になることもあるため、スケジュール調整も含めて早めに動き出さなければいけません。