セラミック治療を受けた後は、これまでよりも機能性の高い歯が手に入るため、快適な生活を送れます。
審美性についても、天然歯と遜色ありません。
しかし、セラミックを装着した状態で噛む力が強くなると、さまざまな不具合が生じます。
今回は、セラミック治療後に強く噛んでしまう原因を中心に解説します。
セラミック治療後に強く噛むことのデメリット
セラミック治療後に強く噛む癖がついてしまうと、破損につながります。
セラミックはある程度硬い素材ですが、強い衝撃や圧力にはあまり強くありません。
そのため、噛む力が強いと割れたり欠けたりするリスクが高まります。
また強く噛み続けることは、セラミックだけでなく天然歯との接着部分にも負担をかけることになります。
その結果、接着剤が劣化してセラミックが不安定になることも考えられます。
さらに強い噛み締めはセラミックに大きな負担がかかり、歯髄炎を引き起こす原因にもなります。
その他、セラミック治療で神経の近くまで削っている場合、噛む力が強いことで神経が刺激され、知覚過敏の症状が出ることもあります。
セラミック治療後に強く噛んでしまう原因5選
セラミック治療後、噛む力が強くなってしまう原因としては、主に以下のことが挙げられます。
・ストレス
・体調不良
・顎関節症
・加齢
・硬いものを食べる
各項目について詳しく説明します。
ストレス
毎日の生活でストレスを多く抱えている方は、セラミック治療後に噛む力が強くなりやすいです。
ストレスが溜まる原因はさまざまですが、現代社会において特に大きいのは心理・社会的要因です。
こちらは人間関係や仕事、経済的な問題や将来への不安などが該当します。
また人はストレスが溜まると、無意識に歯を食いしばるようになります。
このとき、セラミックの歯に加わる力が強くなると、破損のリスクが高まります。
ちなみに、ストレスは就寝中の歯ぎしりや食いしばりを引き起こす原因にもなります。
そのため、いつの間にかセラミックが傷んでしまっているという場合、就寝中の歯ぎしりや食いしばりが起こっている可能性が高いです。
寝ている間の歯ぎしりや食いしばりは、起きているときよりもかなり強い力がかかるため、セラミックにかかる負担は計り知れません。
体調不良
体調不良も、セラミック治療後に噛む力が強くなる原因です。
普段仕事や育児などで疲れている方は、体調が優れない日々が続くことも珍しくありません。
また疲労が溜まっていたり、体調が悪かったりすると、顎の動きをうまくコントロールできなくなることがあります。
その結果、思ったより強い力で噛んでしまうことが考えられます。
このような体調不良による噛み合わせの強さは、あまり自覚症状がないため厄介です。
仮に自覚があったとしても、顎の動きを制御するのが難しいため、丁度良い強さで噛めなくなります。
顎関節症
セラミック治療後に強く噛んでしまう原因としては、顎関節症の発症も挙げられます。
顎関節症は、顎の関節や筋肉の動きに制限が出る疾患です。
口の開閉が困難になったり、開閉時に痛みが生じたりするのが特徴です。
また口の開閉時、カクカクもしくはミシミシといった音が鳴ったり、肩凝りや頭痛などを引き起こしたりすることもあります。
顎関節症の方は、顎関節のズレや噛み合わせの不安定さによって、つい噛む力が強くなってしまうことがあります。
もちろん噛む力が強いことは顎関節への負担にもつながるため、放置していると顎関節症の症状はさらに悪化します。
加齢
ある程度年齢を重ねることも、セラミック治療後に噛む力が強まる原因です。
人は年齢を重ねると、咀嚼に関わる筋肉である咀嚼筋が衰えます。
そのため、噛む力は弱くなりますが、同時に噛む力をコントロールするのも難しくなります。
こちらは、体調不良の方が顎の動きを制御できなくなるのと似たような仕組みです。
結果的に、強い力で噛んでいるつもりはないにもかかわらず、咀嚼時のセラミックへのダメージを大きくしてしまいます。
硬いものを食べる
硬いものを頻繁に食べることも、無意識にセラミック治療後の噛む力を強くする原因です。
例えば煎餅やおかき、フランスパンやスルメなどを好んで食べるときは、必然的にしっかり噛むことになります。
言い換えれば、強く噛まなければ噛み切れないため、必然的に噛む力は強くなるということです。
もちろん、たまに食べる程度であれば特に問題ありませんが、毎日のように硬いものを食べるとセラミックへのダメージは蓄積します。
そのため、セラミック治療後の食事では硬さに気を使わなければいけません。
まとめ
噛む力が強くなればなるほど、セラミックの歯は破損するリスクが高まります。
またセラミックと噛み合う歯についても、強い咬合によって擦り減ってしまうことが考えられます。
天然歯が擦り減ると、以前よりも噛み合わせが悪くなってしまう可能性があるため、注意してください。
もしセラミックの異変を感じているのであれば、早急に歯科クリニックに相談しましょう。