セラミックは天然歯のように光を透過し、なおかつ装着時に色調やサイズも調整できます。
そのため、自然な見た目を実現できる可能性が高いです。
しかし、場合によっては治療後の見た目が不自然になり、審美性が低下してしまうこともあります。
今回は、なぜ不自然な見た目になってしまうのかを中心に解説します。
セラミックの見た目が不自然になる原因5選
自然な見た目がメリットであるにもかかわらず、セラミックが不自然な見た目になってしまう原因としては、主に以下のことが挙げられます。
・歯科医師とのコミュニケーション不足
・白すぎる色を選ぶ
・セラミックの劣化
・セラミック治療後のホワイトニング
・歯科クリニックの技術不足
各項目について詳しく説明します。
歯科医師とのコミュニケーション不足
歯科医師との事前のコミュニケーションが不足していると、セラミックの見た目が不自然になりやすいです。
なぜなら、セラミックの色調は歯科医師と相談した上で決定するからです。
セラミック治療を受ける前には、必ず歯科クリニックでカウンセリングが実施されます。
こちらのカウンセリングは、患者さんが歯科医師に希望の詳細を伝え、歯科医師が患者さんの希望を正しく理解・把握するための場です。
しかし早く歯を白くしたいなどの理由により、歯科医師に対し丁寧に希望を伝えずにいると、歯科医師は希望の内容をうまく理解できないことがあります。
また認識の違いなども起こりやすく、このような状況のまま治療を進めても、なかなか患者さんの思惑通りの仕上がりにはなりません。
白すぎる色を選ぶ
セラミック治療のカウンセリングにおいては、色見本から患者さんが希望する色を選択します。
しかし、このとき白すぎる色を選んでしまうと、セラミックの歯は不自然な見た目になります。
色見本には、真っ白な歯から少しくすんだ色の歯までさまざまな見本が掲載されていますが、人の歯として自然に見える歯はある程度決まっています。
そのため、明らかに真っ白のものを選んでしまうと、キレイすぎて逆に治療箇所が浮いてしまいます。
もちろん、色見本を確認する際、歯科医師がこのような白すぎる色を勧めてくることは基本的にはありません。
それでも、最終的には患者さんの希望に沿う形になるため、患者さんが折れなければ真っ白の歯が選択されてしまう可能性はあります。
セラミックの劣化
セラミック治療を受けてからある程度の期間が経過し、少しずつ見た目が悪くなってきたという場合は、セラミックの劣化が原因の可能性が高いです。
セラミックは、数ある素材の中でも劣化しにくいことで有名です。
しかし、一切劣化しないというわけではありません。
特に、レジンが含まれているハイブリッドセラミックなどの素材は、経年劣化によって変色することがあります。
またセラミックは、プラークや着色汚れなどがつきにくいことでも知られています。
それでも、着色しやすいものばかり食べていたり、喫煙していたりする場合はどうしても見た目が悪くなります。
セラミック治療後のホワイトニング
セラミック治療を受けた後、ホワイトニングの施術を受けようとする方もいるかもしれませんが、こちらはNGです。
なぜなら、セラミックの歯はホワイトニングで白くすることができないからです。
正しい手順としては、まずホワイトニングを受けて天然歯を白くした後、その色に合ったセラミックを装着することです。
先にホワイトニングを受けてしまうと、ホワイトニングで白くなった天然歯と、セラミックの色を合わせるのが難しくなります。
その結果、ホワイトニングを受けた歯、セラミックのいずれかが目立ってしまい、不自然な見た目になります。
もちろん、このような仕上がりではホワイトニングの費用も無駄になってしまうため、注意してください。
歯科クリニックの技術不足
歯科クリニックの技術不足が原因で、セラミックの見た目が不自然になってしまうというケースも残念ながらあります。
セラミックは種類によって耐熱性や強度、耐摩耗性などが異なります。
そのため歯科クリニック側がそれぞれの特性を理解していなければ、患者さんに合った素材を選べず見た目が悪くなったり、劣化が早まったりします。
またセラミックは焼成温度や時間などによって、強度や形状が大きく変わります。
あまりセラミック治療の実績がない歯科クリニックの場合、これらを踏まえた適切な処理ができておらず、精度が悪くなることも考えられます。
セラミック治療をメインの治療として標榜している歯科クリニックであれば、このような事態に陥る心配は少ないです。
まとめ
セラミック治療を受けるのであれば、誰もが自然な仕上がりを目指しているかと思います。
しかし治療前のカウンセリングや歯科クリニック選び、治療後の生活習慣などに問題がある場合、不自然な見た目になる可能性は高いです。
セラミック治療は原則自由診療の治療であり、お世辞にも治療費が安いとは言えないため、なるべく失敗しないための工夫が必要です。