セラミック治療を受けるにあたっては、治療のメリットだけでなく、相性の良くない生活習慣について把握しておく必要があります。
その一つが飲酒であり、アルコールはセラミック治療とさまざまな関係を持っています。
今回は、具体的にどのような関係性があるのかについて詳しく解説します。
セラミック治療中の飲酒について
セラミック治療中は、なるべくアルコールの摂取を控えることをおすすめします。
なぜなら、セラミックや歯周組織に悪影響を及ぼすからです。
アルコールには、血行を促進する効果があります。
これにより、治療中の傷口からの出血量が増えることが考えられます。
このような出血は、セラミックの接着を阻害したり、傷口の回復を妨げたりすることにつながるため、注意が必要です。
またアルコールは歯茎の炎症を悪化させ、痛みや不快感を引き起こす可能性があるほか、免疫力の低下にもつながります。
そのため、最後まで問題なくセラミック治療を完了させたいのであれば、治療期間中は飲酒をしないようにしましょう。
もし摂取する場合であっても、大量にではなくたしなむ程度にとどめておくことが大切です。
ちなみに、毎日のようにお酒を飲むという方は、セラミック治療が開始したタイミングでいきなり禁酒をするのが難しいこともあります。
このことから、前もってアルコールの摂取量を減らし、お酒がない生活に慣れておく必要があります。
セラミック治療後の飲酒について
セラミック治療が完了した後も、飲酒はあまり好ましい習慣とは言えません。
なぜなら、セラミック治療後は歯や歯茎がまだ敏感な状態にあるからです。
前述した通り、飲酒は血流を増加させ、出血や腫れを引き起こす可能性があります。
またセラミック治療後は、飲酒と同様の理由で熱いお風呂や激しい運動も避けなければいけません。
これらの行動は血流を促進し、セラミックに不必要な圧力をかける原因になります。
飲酒を含むこれらの行動を控えることで、セラミックには安定感が生まれ、早期の回復を促すことができます。
セラミック治療後に使用するマウスウォッシュについて
セラミック治療のメンテナンスには、歯ブラシの他にマウスウォッシュを使用することもあります。
マウスウォッシュは、ブラッシングで口内をしっかりキレイにした後に使用するもので、殺菌成分などによって口内の細菌の繁殖を抑えられます。
セラミックは高品質の素材ですが、治療後に一切二次虫歯が起こらないのかというと、決してそういうわけではありません。
そのため、マウスウォッシュを併用しつつ口内ケアを行うことが大切です。
しかし、セラミック治療の直後は口内が敏感であるため、アルコールが含まれたマウスウォッシュは極力使わないようにしましょう。
アルコール入りのものよりも、刺激の少ないノンアルコールタイプの方がセラミックのケアには適しています。
ちなみに、ノンアルコールタイプのマウスウォッシュには、その他の化学物質も一切含まれていない無添加のものもあります。
具体的には合成香料や着色料、保存料や界面活性剤、人工甘味料など、多少口内環境に対しリスクがあるものが排除されています。
少しでも治療後のセラミックや歯周組織の健康を維持したいのであれば、無添加のマウスウォッシュや歯磨き粉を選ぶのがベストです。
通常のものと比べて少し価格は高い可能性がありますが、ドラッグストアなどで気軽に購入できます。
セラミック治療とアルコール依存症について
アルコール依存症は、長期間にわたってお酒を大量に飲み続けることにより、飲酒をしないといられなくなってしまう疾患です。
アルコール依存症の方は、歯科クリニックにセラミック治療を断られる可能性があります。
理由はいくつかありますが、1つは歯周病のリスクが高いことが挙げられます。
アルコール依存症の方は、口内環境が荒れやすく、歯周病も発症しやすい傾向にあります。
歯周病は歯茎の軟化や歯の動揺を引き起こすため、セラミック治療を阻害する原因になります。
そのため、依存症の方は最初から治療が受けられないことが考えられます。
またアルコール依存症がセラミック治療を断られやすいもう一つの理由は、治療後の維持管理が大変になるからです。
アルコール依存症の場合、生活習慣もかなり不規則になっていることが予想されます。
ブラッシングなどのケアについても十分に行えない可能性があり、このような方はセラミック治療を受けてもすぐにトラブルが発生する可能性が高いです。
ちなみにアルコール依存症で常に泥酔状態の方などは、歯科医師との協調が難しく、治療が適用されないこともあります。
まとめ
ここまで本記事を読んでいただいた方はお分かりの通り、アルコールはスムーズなセラミック治療の進行や治癒を妨げる要因です。
そのため、日常的に飲酒をしているという方は、治療前に生活習慣を改めることをおすすめします。
もちろん飲酒をしていてもセラミック治療を受けられる場合はありますが、治療後にトラブルが多発すると再治療の必要が出てきますし、治療費も高額になります。