セラミックは耐久性のある素材ですが、一切破損しないというわけではありません。
使い方などによっては、ひび割れたり一部が欠けたりすることが考えられます。
また破損したセラミックは、早急に歯科クリニックで修正してもらわなければいけません。
今回は、セラミックの破損を放置した場合のデメリットを中心に解説します。
セラミックが破損する主な原因
セラミックが破損してしまう主な原因としては、以下のことが挙げられます。
・硬いものを食べる
・歯ぎしり、食いしばり
・強い衝撃
セラミックは耐久性に優れているものの、瞬間的な強い力にはあまり強くありません。
そのため、硬いものを噛んだときの衝撃で破損することがあります。
特に飴など非常に硬いものを噛み、急に割れたときにセラミックと天然歯が噛み合う瞬間などは、かなり破損のリスクが高いです。
また歯ぎしりや食いしばりも、セラミックが破損する代表的な原因として挙げられます。
歯ぎしりや食いしばりによってかかる力は、普段食事のときに歯を噛み合わせる力の何倍も圧力がかかるからです。
その他、事故に遭ったり顔の近くから転倒したりした場合も、セラミックが破損する可能性があります。
高齢の方などは、転倒時にとっさに手が出ず、顔面を強打してしまうことが考えられます。
セラミックの破損を放置するデメリット5選
セラミックが破損した状態を放置することにより、以下のようなデメリットにつながります。
・虫歯を発症する
・噛み合わせが乱れる
・痛みが強くなる
・歯茎に炎症が起こる
・抜歯のリスクが高まる
各デメリットについて詳しく説明します。
虫歯を発症する
セラミックが破損した状態をそのままにしていると、虫歯を発症する可能性が高まります。
セラミックは、本来表面が滑らかであまりプラークが付着しません。
そのため、虫歯のリスクは低いですが、破損している場合話は別です。
どのように破損しているのかにもよりますが、一部が欠けるように割れている場合、そこが大きな凹みとなってプラークが溜まりやすくなることがあります。
その結果、虫歯のリスクは高まります。
一切破損していないセラミックの場合、汚れが付きにくくなおかつ天然歯との隙間も少ないです。
つまり破損している状態で使用し続けることは、セラミックにおける一つの長所を消すことになるということです。
噛み合わせが乱れる
噛み合わせが乱れることも、セラミックの破損を放置するデメリットの一つです。
セラミックは、当然患者さんの噛み合わせを考慮して装着されるものです。
しかし一部に破損が見られる場合、セラミックそのものの形が変わってしまうため、対向歯と噛み合ったとき隙間ができたり、圧力を感じたりすることがあります。
またこのような状態でセラミックを使い続けると、当然さらなる破損を招くことが考えられます。
さらに、対向する天然歯を傷つけてしまい、セラミックの部分以外の噛み合わせにも悪影響を及ぼすことがあります。
痛みが強くなる
セラミックの破損を放置していると、ジワジワとした痛みや強い痛みにおそわれることもあります。
セラミックの破損は噛み合わせを悪化させるという話をしましたが、噛み合う歯との圧力があると、当然歯や歯茎には痛みが出やすくなります。
またセラミックの一部が尖るように破損してしまった場合、咀嚼時などに歯茎や舌、頬の内側などを傷つけてしまうおそれがあります。
もちろん、このような状況になると激痛を伴いますし、口内で大量に出血することも考えられます。
さらにセラミックによって傷ついた粘膜では、外傷性口内炎が形成されることもあります。
歯茎に炎症が起こる
歯茎に炎症が起こることも、セラミックの破損を放置することのデメリットです。
破損したセラミックにはプラークが溜まりやすくなるという話をしました。
またセラミックにプラークが付着しているということは、その周囲の歯茎にもプラークが溜まっている可能性が高いということです。
歯茎に溜まった汚れは、細菌の力によって炎症を引き起こし、歯周病を発症させる原因にもなります。
抜歯のリスクが高まる
セラミックの破損を治さなかったことにより、虫歯が重度にまで進行すると、抜歯をしなければいけない可能性が高くなります。
こちらは神経が残っている歯にセラミック治療を施した後、虫歯を発症したことで神経が死滅してしまった場合です。
セラミックを装着した時点で、ある程度天然歯の一部は削っていますが、抜歯となると天然歯のすべての部分を失うことになります。
一度抜歯した天然歯は、二度と元に戻ることはありません。
まとめ
セラミックの品質は高いですが、破損した場合に修正しなければいけないというのは、他の素材と同じです。
中にはセラミックの耐久性を過信し、破損していても使い続ける方がいますが、こちらは良くない行動です。
セラミックは、破損した時点で寿命を迎えています。
寿命を過ぎたセラミックを使い続けても、口内環境が悪化したり、治療費が高額になったりと何も良いことはありません。