セラミック治療は、歯の審美性をアップさせることを目的に受ける方が多いです。
しかし、実は他にもさまざまなメリットがあり、セラミックの歯は保険診療の歯と比べて口臭を防ぎやすいという効果があります。
今回は、なぜセラミックが口臭につながりにくいかを中心に解説します。
セラミックの歯が口臭につながりにくい理由3選
以下の理由により、セラミックの歯は口臭を発するリスクを軽減できます。
・汚れが付きにくい
・フィット感が高い
・金属アレルギーのリスクが少ない
各項目について詳しく説明します。
汚れが付きにくい
セラミックの歯が口臭を防ぎやすい理由としては、まず汚れが付きにくいことが挙げられます。
例えばレジンなど保険診療の素材の場合、見た目はある程度キレイであるものの、表面をよく見ると凹凸が見られます。
こちらは肉眼では確認するのが難しいほど微細なものですが、表面にプラークが蓄積される原因になります。
口内に蓄積されるプラークが多ければ多いほど、細菌の量が多くなり、口臭を発するリスクが高まります。
一方、セラミックの表面はツルツルしていて、ほとんど凹凸が見られません。
そのため、普通に使う分にはプラークが溜まりにくく、口臭も出にくいです。
もちろん、一切プラークが付着しないというわけではありませんが、ブラッシングもしやすいため口臭のリスクが低いのは確かです。
フィット感が高い
フィット感が高いことも、セラミックの歯が口臭を防ぎやすい理由の一つです。
銀歯など保険診療の補綴物は、細心の注意を払って装着されますが、どうしても天然歯との間にわずかな隙間ができます。
少しでも隙間があれば、そこから内部に細菌が侵入するため、二次虫歯や口臭を引き起こす原因になります。
これに対しセラミックは、装着する天然歯との隙間が極端に小さいです。
かなり強固な接着力によってフィット感を演出しているため、細菌も入り込みにくく口臭の発生も予防しやすいです。
金属アレルギーのリスクが少ない
セラミックの歯は金属アレルギーのリスクが少なく、こちらも口臭を防ぎやすい理由として挙げられます。
銀歯など金属を含む素材を口内に装着する場合、金属アレルギーのリスクが付きまといます。
もし金属アレルギーの症状が出てしまったら、口内が炎症を起こしてしまう可能性があります。
またこちらの炎症は、口臭の原因になることも考えられます。
さらに、金属が口内に存在することで唾液の分泌が抑制され、口内が乾燥しやすくなります。
口内が乾くと、口臭が強くなるリスクも高まります。
一方、一切金属を使用しないセラミック素材であれば、金属アレルギーによる口臭は完全に排除できます。
ただし、セラミック素材の中にも金属を含むものは存在するため、素材選びには注意しなければいけません。
セラミックの歯で口臭がひどくなる原因
セラミックは、他の補綴物に比べて口臭がひどくなる可能性は低い素材です。
しかし、以下の理由によって口臭が強くなることはあります。
・ブラッシング不足
・素材の劣化
・セラミックの不適合
各項目について詳しく説明します。
ブラッシング不足
たとえ汚れが付きにくいセラミックであっても、ブラッシングが不十分であれば当然口臭のリスクは高まります。
確かにセラミックの表面には汚れが付きにくいですが、これらは自然に落ちるものではありません。
そのため、ブラッシング不足が常態化すると、当然口臭は強くなります。
また口内に蓄積されたプラークは、やがて石化して歯石になります。
セラミックに歯石が付着すると、自宅でのブラッシングでは落とせないため、付着している間はずっと口臭が強くなることが考えられます。
素材の劣化
セラミックは高品質な素材ですが、一生涯使用できるわけではありません。
通常、10~15年くらいで劣化が激しくなり、破損などのリスクが極めて高くなります。
またセラミックが破損すると、天然歯との間にプラークが溜まりやすくなり、口臭を引き起こしやすくなります。
さらにセラミックと天然歯を固定する接着剤が劣化することも、隙間が生じて細菌が繁殖しやすくなることにつながります。
セラミックの不適合
そもそもセラミックを装着した時点で患者さんの歯にフィットしていない場合、使用していくにつれて口臭はひどくなる可能性が高いです。
セラミックがフィットしていないということは、セラミックと天然歯の間に段差がある状態を指しています。
段差があると、その境目の部分は当然磨きにくくなり、プラークが溜まってニオイを発しやすくなります。
また段差に溜まった汚れが歯周病を引き起こし、より強烈な口臭を招く可能性もあります。
まとめ
セラミック治療を受ける際は、審美性だけでなく、口臭を発しにくいなど他のメリットにも着目しましょう。
そうすることで、自身とは縁のないものだと感じていた方でも、セラミック治療が選択肢に入ってくる可能性があります。
もちろんメリットだけでなく、デメリットについてもあわせて理解することで、より自身がセラミック治療に向いているのかを把握できます。