天然歯における虫歯の部分を削り、新たにセラミックを装着した方は、できる限り長い間使用し続けたいと考えるでしょう。
しかし、治療後の過ごし方を間違えると、通常よりも寿命が短くなってしまうおそれがあります。
今回は、セラミックの寿命が縮む主な原因を中心に解説します。
セラミックの寿命が縮む原因5選
セラミックの一般的な寿命は、装着後10~15年程度とされています。
しかし以下の原因により、一般的な寿命が来る前に適合が悪くなったり、破損したりする可能性があります。
・歯科検診を受けない
・治療を受ける歯科クリニック選びを間違える
・セルフケアを怠る
・歯ぎしり、食いしばりを治療しない
・好きなものを食べる
各項目について詳しく説明します。
歯科検診を受けない
セラミック治療を受けた後、一切歯科検診を受けずにいると、セラミックの寿命が短くなる可能性が高いです。
ここでいう歯科検診とは、口内に装着したセラミックの状態をチェックするための検診を指しています。
このとき、噛み合わせやセラミックの状態によっては、適宜歯科医師や歯科衛生士による調整が行われます。
またセラミックだけでなく、歯列全体におけるプラークや歯石の除去なども行ってくれます。
セラミック治療を受けた後は、歯科医師からこちらのメンテナンスを受けるよう、必ず伝えられます。
それにもかかわらず、面倒になって通院を怠っていると、問題が起きていても気付けずに寿命はどんどん短くなります。
治療を受ける歯科クリニック選びを間違える
そもそも、セラミック治療を受ける歯科クリニック選びを間違えてしまうと、セラミックの寿命は短くなります。
なぜなら、セラミックは可能な限り、患者さんの天然歯とピッタリ適合させる必要があるからです。
例えばセラミック治療を受ける際、「近いから」「通い慣れているから」という理由で、昔から通っている歯科クリニックに通院したとします。
しかし、こちらの歯科クリニックがセラミック治療をあまり得意としていない場合、治療の段階でセラミックと天然歯の適合性が下がってしまうおそれがあります。
またこのような状態のセラミックを使い続けると、通常よりも早くセラミックと天然歯の間に隙間ができ、破損や虫歯などのリスクが高まります。
そのため、セラミック治療を受ける歯科クリニックを選ぶ際は、必ずセラミック治療の実績や経験などを参考にしましょう。
セルフケアを怠る
治療後のセルフケアを怠ることも、セラミックの寿命が縮んでしまう原因の一つです。
セラミックは耐久性が高く、プラークもつきにくい素材です。
しかし、セルフケアについては、天然歯と同じように毎日行う必要があります。
具体的には、歯ブラシを使用したブラッシングはもちろん、場合によってはデンタルフロスや歯間ブラシなどを組み合わせて口内をケアします。
またセラミックが装着された歯と歯茎の境目なども、丁寧に磨く必要がありますが、こちらがおろそかになっている方は多いです。
セラミックはツルツルした素材であるため、ついついしっかり磨かずに放置してしまうことがあります。
このような状況が続けば、当然セラミックが使い物にならなくなるのは目に見えています。
歯ぎしり、食いしばりを治療しない
歯ぎしりや食いしばりの症状が出ているにもかかわらず、治療を受けずにいると、セラミックの寿命が縮みやすくなります。
セラミックは耐久性が高いですが、外部の衝撃で割れることがないのかというと、決してそういうわけではありません。
特に瞬間的な強い力に弱く、歯ぎしりや食いしばりはまさにそのような力のかかる行為です。
歯ぎしりや食いしばりの力は、普段食事で噛み合わせる際の10倍もの力がかかるとされているため、継続的にこのような力がかかるとセラミックの寿命は短くなります。
好きなものを食べる
何でもかんでも好きなものを食べている方は、摂取するものに気を付けている方と比べ、セラミックの寿命が短くなりやすいです。
例えば煎餅やフランスパンなど、硬いものばかりを好んで食べる方は、少しずつセラミックにダメージが蓄積されています。
その結果、ある日急にセラミックが割れてしまったり、天然歯から外れてしまったりすることが考えられます。
セラミックを一生使用することはできる?
セラミックをできる限り長く使いたい方は、可能であれば一生同じものを使用し続けたいと考えるでしょう。
しかし、基本的に同じセラミックを一生使用し続けることはできません。
冒頭で触れた通り、セラミックの寿命は10~15年程度、しっかりケアを行っていても20年前後です。
装着した年齢が中高年以降であれば、老後も問題なく使い続けられる可能性はありますが、基本的にはいずれ交換するものと考えておきましょう。
まとめ
セラミック治療を受けるのであれば、必ず10~15年は使用できるように、治療後も注意しましょう。
何度も交換すればその分費用はかさみますし、治療箇所の天然歯に与えるダメージも大きくなります。
また患者さんのケアだけでセラミックの寿命を延ばすことは不可能に近いため、たとえ忙しくても歯科クリニックに通うのを怠ってはいけません。