セラミック治療におけるメリットの一つに、金属アレルギーを予防できるという点が挙げられます。
具体的には、金属を一切使用していないセラミック素材の場合、金属アレルギーが起こることはありません。
では、金属アレルギーを防ぐことにより、どのようなメリットが生まれるのでしょうか?
セラミック治療で金属アレルギーを防ぐメリット5選
自由診療のセラミック治療を選び、金属アレルギーを予防することで、以下のようなメリットが生まれます。
・口内での症状が起こらない
・全身症状が起こらない
・治療が長引かない
・パッチテストの手間が省ける
・再治療を防止できる
各項目について詳しく説明します。
口内での症状が起こらない
セラミック治療で金属アレルギーを予防すれば、当然口内で症状が起こることはありません。
こちらはもっとも大きいメリットだと言えます。
金属アレルギーが引き起こす口内の症状は非常に多いです。
例えば、口内炎が頻繁に形成されたり、舌に痛みや違和感を覚えたりといった症状が一般的です。
また口内に金属が入っていることから、血に似たような味がすることもありますし、唾液の分泌量が減って口内が乾燥することもあります。
このときの口内の乾燥は、強い口臭を引き起こすことも考えられます。
さらに、唇や顔の周りに赤みや腫れ、かぶれなどが生じることもあります。
セラミック治療で金属アレルギーのリスクをなくせば、これらの症状とは一切無縁です。
全身症状が起こらない
金属アレルギーは、金属の素材が装着された口内だけでなく、全身の症状を引き起こすこともあります。
金属が含まれないセラミック素材を選べば、このような全身症状も回避できます。
具体的にはアトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症、頭痛や肩こりといった症状です。
アトピー性皮膚炎は、全身に湿疹やかゆみが現れる病気で、掌蹠膿疱症は手のひらや足の裏に水ぶくれができる疾患です。
また金属アレルギーを発症すると身体全体に不調を感じ、頭痛や肩こり、そこから来る倦怠感などにおそわれることも考えられます。
その他吐き気やめまい、発熱なども現れることがあり、頻繁に発症すると日常生活に大きく支障をきたします。
もちろん、体調不良などの全身症状は金属アレルギー以外でも生じることがありますが、セラミック治療を選択すれば全身症状のリスクは大幅に下がります。
治療が長引かない
治療が長引かないという点も、セラミック治療で金属アレルギーを防ぐことのメリットです。
歯科治療時に金属アレルギーを発症してしまった方は、トータルの治療期間が長くなる傾向にあります。
なぜなら、金属アレルギーは原因となる金属を特定するのが難しいからです。
例えば銀歯を装着しているからといって、必ずしもそれが金属アレルギーの原因になっているとは限りません。
まったく別の金属が身体のどこかに触れていることが原因の場合もあります。
また金属アレルギーは、発症するまである程度の時間がかかります。
そのため、症状が出た場合、治療後しばらくしてまた治療を開始しなければいけません。
こちらも治療期間が長引きやすい理由の一つです。
セラミック治療でも、治療後に不具合が生じる可能性はゼロではありませんが、金属アレルギーのようになかなか原因がわからないということは考えにくいです。
パッチテストの手間が省ける
セラミック治療で金属アレルギーを防ぐことができれば、パッチテストの手間も省けます。
金属アレルギーとおぼしき症状が出た場合は、皮膚科などでパッチテストを受けなければいけません。
パッチテストは、金属を原因とする接触性皮膚炎の診断のために行われる検査です。
具体的には、まず特定金属の試薬(テープ)を皮膚に貼り付けます。
その後、48時間後にテープを剥がし、皮膚の状態を観察します。
さらに3日後、1週間後にも再検査を行い、反応の経過を観察します。
これらの検査は、普段時間がない方などにとっては非常に面倒です。
最初からセラミック治療を選択し、金属アレルギーのリスクを排除していれば、パッチテストを受ける必要はありません。
再治療を防止できる
銀歯などが原因で金属アレルギーを発症した場合、そのまま補綴物を使用し続けることはできません。
再治療を行い、口内から金属を除去する必要があります。
また金属を除去した後は、セラミックをはじめとする金属アレルギーのリスクがない素材を選び、再び装着する治療を受けなければいけません。
これらの治療は1回で完了するものではなく、何度か歯科クリニックに足を運ぶ必要があります。
セラミック治療の場合、金属アレルギーは基本的に起こらないため、このような理由で再治療を受けることはありません。
まとめ
“金属アレルギーを防止できる”ということは、単純に口内が荒れたり痛んだりすることを回避できるだけではありません。
本記事で説明した通り、全身症状を防いだり、本来必要のない検査や再治療を回避したりすることにもつながります。
そのため、多少費用は高額になりますが、迷った場合はセラミック治療を選択することをおすすめします。