Webサイトでセラミックに関する記事を見ていると、「絶対に受けない方が良い」といった意見が書かれていることがあります。
こちらはセラミック治療のデメリットについて記載し、他の治療を受けるように促す内容のものです。
ではセラミック治療が“絶対ダメ”というのは、果たして本当なのでしょうか?
セラミックが“絶対ダメ”と言われる理由とその真実
セラミック治療がダメと言われる理由としては、主に以下のことが挙げられます。
・割れる可能性がある
・費用が高い
・歯を削る量が多い
・思い通りの見た目にならないことがある
・メンテナンスが必要
これらの理由について、本当に正しいのかどうか説明します。
割れる可能性がある
セラミック治療に否定的な意見を持つ方がいる理由としては、まず割れる可能性があることが挙げられます。
セラミックは丈夫な素材であり、ある程度の耐久性を持っていますが、金属に比べると脆いため、使用している最中に割れてしまうリスクは確かにあります。
しかし、決して簡単に割れるわけではありません。
セラミックが弱いのは、瞬間的にかかる強い力です。
例えば、硬い煎餅やナッツなどを噛み砕いたときなどが該当します。
一方で、普通の硬さの食事をこれまで通り食べる分には、何も問題ありません。
接着力も強いため、銀歯のように粘着性の高いものを食べて外れてしまう心配も少ないです。
つまり割れる可能性があるからといって、セラミック治療が“絶対ダメ”という結論には至らないということです。
費用が高い
セラミック治療には、費用が高いという特徴があります。
審美性が高いセラミック治療は、必要最低限の治療とは言えないため、原則保険が適用されません。
こちらが高額な治療費が発生する理由です。
しかし、セラミック治療の費用が高いことも、“絶対ダメ”ということにはつながりません。
なぜなら、医療費控除の活用や素材選びなどにより、費用を抑えられるからです。
医療費控除は、年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に利用できる所得控除です。
セラミック治療は審美歯科治療の一環ではありますが、医療費控除の対象です。
そのため、申告すれば所得税額の控除が受けられます。
つまり、実質治療費を安く抑えられるということです。
またセラミックにはさまざまな種類がありますが、ハイブリッドセラミックを選べばある程度費用は節約できます。
ハイブリッドセラミックはセラミック100%ではなく、レジンを含んでいます。
その分すべてセラミックの場合より審美性や機能は劣りますが、費用を抑えながらセラミックの歯を手に入れることができます。
歯を削る量が多い
歯を削る量が多いことから、セラミック治療は“絶対ダメ”と断言している方もいます。
確かに、セラミックを装着する際は天然歯を多めに削らなければいけません。
セラミックは簡単に割れないという話をしましたが、それでも強度を上げるためには、どうしても天然歯を削ってセラミックの部分を厚くする必要があります。
また歯を削る量が多い場合、天然歯の強度が下がるというデメリットがありますが、こちらもセラミックを“絶対ダメ”と全否定する理由にはなりません。
前述の通り天然歯を多く削るのは、セラミック自体の強度を上げるためです。
つまり天然歯の強度が落ちたとしても、大部分が丈夫なセラミックで構成されるため、特に問題はないということです。
もちろん、天然歯に比べるとセラミックの機能性は劣ります。
それでも、銀歯やレジンといった保険診療の補綴物と比べると、高い審美性や機能性を持っていることは明らかです。
思い通りの見た目にならないことがある
セラミック治療では、必ずしも施術箇所が思い通りの見た目になるとは限りません。
例えば思っていた色味と違ったり、形が気に食わなかったりするケースです。
しかし、しっかり歯科医師とコミュニケーションを取っていれば、このような状況になる可能性は低いです。
セラミック治療の前には、歯科医師とのカウンセリングが実施されます。
このとき、患者さんは歯科医師に希望する色などを伝えることができます。
そのため、よほどいい加減な歯科医師でなければ、患者さんの意思が反映されていないセラミックを作製することはまずありません。
メンテナンスが必要
セラミック治療を受けた後は、その状態を保つために歯科クリニックでメンテナンスを受けなければいけません。
そのため、ある程度の費用や身体の負担がかかります。
しかし、メンテナンスをしなければいけないのは、セラミック治療を受けた後に限ったことではありません。
特に治療をしていない方であっても、定期検診は受ける必要があります。
そのため、メンテナンスがセラミック治療のデメリットと考えるのは間違っています。
まとめ
セラミック治療に対し、“絶対ダメ”という意見を持つ方が一定数いるのは事実です。
しかし、治療を受けることで重大な問題が起こるわけではありませんし、デメリットについてもそこまで気にする必要はありません。
また一切費用を用意できない方でも、デンタルローンなどを利用すればセラミック治療を受けることは可能です。