セラミック治療には、基本的に年齢制限が存在しません。
そのため、健康な歯さえ生えている方であれば、審美性の高い歯を手に入れられます。
しかし、こちらはあくまで20歳以上の方に言えることであり、ほとんどの歯科クリニックでは未成年のセラミック治療を推奨していません。
今回はこちらの理由について解説します。
セラミック治療を未成年におすすめできない理由4選
セラミック治療は、以下の理由から未成年の受診が推奨されていません。
・顎の骨の成長によるズレの発生
・歯髄が大きく損傷リスクが高い
・歯の寿命を前借りしてしまう
・歯茎の成熟が未熟でブラックマージンが出やすい
各項目について詳しく説明します。
顎の骨の成長によるズレの発生
未成年期は、身長が伸びるのと同様に顎の骨もダイナミックに成長しています。
特に10代後半までは下顎を中心に骨格が変化し続けるため、その時期にセラミック治療を受けると、数年後には周囲の自歯との位置関係がズレてしまうリスクが非常に高いです。
またセラミック歯そのものは形が変わりませんが、土台となる顎が成長することで、歯肉のラインが上がってしまったり、隣の歯との間に隙間ができたりします。
結果として、見た目が不自然になるだけでなく、噛み合わせのバランスが崩れ、将来的に顎関節症を引き起こす原因にもなりかねません。
10代はとても多感な時期であり、大人以上に周りの目を気にしてしまう年ごろでもあります。
そのようなタイミングで、歯の見た目が悪くなる可能性のあるセラミック治療を受けるのは得策ではありません。
成人して骨格が安定するまでは、安易に固定性の高い自費診療を行うのは避けるべきとされています。
歯髄が大きく損傷リスクが高い
未成年の永久歯は、生え変わってから間もない若年者の永久歯です。
成人の歯に比べて、歯の内部にある神経である歯髄の通り道が非常に太く、歯の表面近くまで神経が通っています。
セラミック治療を行うためには、どうしても歯を一定量削る必要がありますが、未成年の場合は少し削るだけでも神経に到達してしまうリスクが格段に高いです。
もし神経を傷つけてしまい、神経を抜く根管治療が必要になったら、その歯の寿命は著しく短くなります。
神経を失った歯は栄養が届かなくなり、枯れ木のように脆くなって割れやすくなるからです。
また若いうちに神経を失うことは、将来的にその歯を失うリスクを背負うことと同義であるため、多くの歯科医師は慎重な判断を下します。
歯の寿命を前借してしまう
セラミックなどの補綴物には必ず耐用年数というものが存在します。
つまり一生持つものではなく、一般的には10年〜15年程度で再治療が必要になるケースが多いということです。
10代でセラミック治療を始めると、人生の中で何度もセラミック治療のやり直しを経験することになります。
また歯を削って被せ物をするたびに、土台となる自分の歯はさらに薄く、小さくなっていきます。
さらに数回の再治療を繰り返すと、最終的には土台として支えきれなくなり、40代や50代という比較的早い段階で抜歯に至る可能性が高まります。
将来の長い人生を考えたとき、可能な限り自分の歯を削らずに残すことが、結果として生涯のQOL(生活の質)を高く保つ鍵となります。
80歳で自身の歯を20本残すという8020運動も、こちらの生活の質を高めることが目的で行われています。
歯茎の成熟が未熟でブラックマージンが出やすい
未成年の時期は、歯を支える歯茎も変化の過程にあります。
特に思春期はホルモンバランスの影響で歯肉が腫れやすかったり、ブラッシングの状態によって形が変わりやすかったりします。
この不安定な状態でセラミックを装着すると、将来的に歯茎が下がった際、被せ物と自歯の境界線が露出してしまうブラックマージンという現象が起こりやすくなります。
せっかく見た目を美しくするために高価なセラミック治療を受けても、数年で歯の根元が黒く見えたり、段差ができたりしては本末転倒です。
歯茎のラインが安定し、大人としての健康的な口腔環境が整ってから治療を行う方が、最終的な仕上がりの美しさを長く維持できるというメリットがあります。
未成年がセラミック治療の代わりに受けられる治療
未成年がセラミック治療の代わりに受けられる治療としては、審美用マウスピースや矯正治療などが挙げられます。
審美用マウスピースは、歯を削らず型取りだけでつくれる薄いカバーです。
最短2回の通院で白くキレイな歯並びに見せることができますが、どの歯科クリニックでも取り扱っているわけではありません。
また矯正治療は、歯並び自体を改善する根本的な治療であり、時間はかかるもののもっとも歯に優しいと言えます。
まとめ
セラミック治療を未成年が受けることは不可能ではありませんが、受けることを推奨できないのは事実です。
また歯科クリニックで治療を断られてしまった場合、しつこく食い下がることはやめておきましょう。
歯科医師は、いつでも患者さん一人ひとりにとって最適な治療を選択してくれます。
そのため、受けられない場合は潔く他の選択肢について相談するのが賢明です。

