セラミック治療を受けた方は、すべての方が同じ形のセラミックを手に入れられるというわけではありません。
やはり患者さんによって口内環境は異なりますし、希望の形も違うからです。
では、セラミックの理想の形を目指すにはどうすれば良いのでしょうか?
今回はこちらの点について詳しく解説します。
まずは理想の歯の形を見つけることが大切
セラミックの理想の形を目指すには、まず患者さん自身が理想の歯の形を見つけなければいけません。
例えば顔の形に合わせることにより、自身にどのような形の歯が合っているのかを明確にできます。
丸顔の方は、歯の角に丸みを持たせた形にすると、輪郭との親和性がアップし、やわらかくかわいらしい口元になります。
また輪郭が卵型の方は、前歯を丸みのある卵型にすることで、若々しい雰囲気に仕上がります。
さらに面長の方は、歯の縦幅を少し短めにすることで、全体とのバランスが良くなります。
もちろんこれらはあくまで目安ですが、「理想の歯の形がまったくわからない」という方には参考にしていただけるかと思います。
セラミック治療のプロセスで理想の形を目指す方法4選
セラミック治療を受けるプロセスにおいて、歯を理想の形に近づけるためには、以下のような工夫が求められます。
・丁寧なカウンセリングでイメージを共有する
・経験豊富な歯科クリニックを選ぶ
・審美性の高い素材を選ぶ
・事前のシミュレーションで完成形を体験する
各項目について詳しく説明します。
丁寧なカウンセリングでイメージを共有する
とにかくセラミックの理想的な形を目指すには、歯科クリニックにおける丁寧なカウンセリングでイメージを共有することが大切です。
例えば「やわらかい」「クール」「健康的」など、どのような印象になりたいかをまず伝えます。
また好きな形や芸能人の写真など、具体的な写真を見せることにより、イメージのズレを防ぐことができます。
さらに年齢に調和したデザインなどについて質問することで、より自然な仕上がりになります。
経験豊富な歯科クリニックを選ぶ
セラミックの理想の形を目指すためには、セラミック治療の経験が豊富な歯科クリニックを選ぶことも大切です。
セラミック治療の仕上がりは、歯科医師の技量だけでなく、セラミックを作製する歯科技工士の技術力にも大きく左右されます。
そのため歯科クリニック選びの際は、まず症例数が豊富で、セラミック治療に力を入れているところを選びましょう。
また歯科医師と歯科技工士が密に連絡を取り合っている歯科クリニックであれば、細かな調整がしやすく、より理想に近い形を追求できます。
このような体制については、セラミック治療を受ける前のカウンセリングで質問しておくことをおすすめします。
審美性の高い素材を選ぶ
審美性の高い素材を選ぶことも、セラミックの理想の形を目指すためには大切なことです。
セラミック素材はどれも高い審美性を備えていますが、選択する素材によってその程度は変わってきます。
例えばジルコニアは、強度が高く奥歯の治療にもよく使用されるものですが、近年は透明度の高いものも増えています。
透明度が高い素材であれば、口内に装着したときに見た目の違和感が出にくくなり、理想の形に限りなく近づけることができます。
一方、セラミックとプラスチックが混合しているハイブリッドセラミックなどは、比較的安価なもののジルコニアと比べると多少品質は劣ります。
また透明感も若干低くなるため、切削の段階でかなり理想の形に近づけなければ、患者さんは仕上がりに不満を抱くことになる可能性があります。
事前のシミュレーションで完成形を体験する
歯科クリニックによっては、事前のシミュレーションでセラミックの完成形を体験できる可能性もあります。
こちらの設備が整っている場合、利用しない手はありません。
具体的には、ワックスアップやデジタルシミュレーションなどの活用です。
ワックスアップは、治療前に歯型に樹脂製のワックスを盛り、完成形を立体的に再現するというものです。
形だけでなく、噛み合わせや全体のバランスも確認できるため、理想の形を追求したい方にはおすすめです。
またデジタルシミュレーションは、口腔内スキャナーなどで歯の状態をデータ化し、コンピューター上で完成形をシミュレーションするシステムです。
歯の形はもちろん、色についてもモニターでわかりやすく確認できます。
もちろんこれらのシミュレーションを行ったとき、不明な点や疑問点があればすぐ歯科医師に質問できるため、非常に便利です。
まとめ
セラミック治療は歯の美しさをアップさせ、機能性についても天然歯に近づけることができます。
しかし、患者さん自身が理想の形のイメージを持っていない場合、歯科医師も調整のしようがありません。
そのため、まずは患者さんが仕上がりのイメージを固めることが大切です。
また患者さんと歯科クリニックとでのコミュニケーションを重ね、共同製作のようなイメージでセラミック治療を進めることが求められます。

