セラミック治療に対し、漠然と“キレイな歯を手に入れるための治療”というイメージを持っている方は多いでしょう。
もちろんこちらは間違いではないのですが、中には誤った認識を持ってしまっている方もいます。
今回は、セラミック治療でよくある間違った認識について解説します。
セラミック治療でよくある間違った認識5選
セラミック治療についてあまり詳しくない方は、以下のような間違った認識を持っているケースが多いため、注意してください。
・セラミックは一生もの
・虫歯や歯周病にならない
・セラミック矯正と矯正治療は同じ
・治療費が高いのは自由診療だから
・セラミック治療を受ければ必ず理想の歯が手に入る
各項目について詳しく説明します。
セラミックは一生もの
一度装着したセラミックは一生ものと考えている方もいるかもしれませんが、実際はそうではありません。
確かに、セラミックは銀歯やレジンなど他の素材に比べて品質が高いです。
しかし、それらと同じように素材の寿命は存在します。
セラミックの平均的な寿命は、10~15年とされています。
適切なメンテナンスを行っていれば、20年以上持つこともありますが、一生使用できるということは考えにくいです。
またセラミックは陶器であるため、外部からの強い衝撃や歯ぎしり、食いしばりなどの過度な力が加わると、欠けたり割れたりするリスクがあります。
さらにセラミック自体は劣化しにくいですが、内部にある土台の歯や接着剤は経年劣化します。
そのため、定期的にメンテナンスに通い、必要に応じて修正や再装着を行う必要があります。
虫歯や歯周病にならない
セラミックは品質の高い歯であるため、虫歯や歯周病のリスクはないと考える方もいますが、こちらも間違った認識です。
セラミックの表面は、他の素材に比べて滑らかであり、汚れが付きにくいです。
虫歯や歯周病の原因は、歯に付着したプラークに含まれる細菌であるため、セラミックが虫歯や歯周病を発症しにくいというのは事実です。
しかし、完全にこれらの疾患を予防できるわけではありません。
セラミックと天然歯の境目はプラークが溜まりやすく、二次虫歯や歯周病の原因となることがあります。
そのため、虫歯や歯周病を防ぐためには、セラミックの部分だけでなく口内全体のブラッシングを丁寧に行う必要があります。
セラミック矯正と矯正治療は同じ
セラミック治療の一つであるセラミック矯正は、歯を削ってセラミックを被せることで、歯並びを改善する治療です。
こちらは矯正治療の一種ですが、一般的な矯正治療と同じものではありません。
一般的なワイヤー矯正やマウスピース矯正などは、装置を歯に装着し、少しずつ歯を移動させていくことで適切な歯列をつくるものです。
一方セラミック矯正は、歯を移動させることができません。
歯の形を変えることで矯正を行うものであるため、明らかにガタガタの歯並びや、骨格が原因の不正咬合などの治療は極めて困難です。
治療費が高いのは自由診療だから
セラミック治療は、治療費が高額であることが知られています。
こちらは自由診療であることが主な理由ですが、実際はそれだけではありません。
セラミック治療では、他の治療に比べて素材のコストがかかりやすいです。
なぜならセラミック素材自体が高価であったり、審美性・耐久性の高いセラミックを製作するためには高度な技術が必要になったりするからです。
つまりセラミック治療の費用が高い理由には、自由診療であることだけでなく、そもそも質の高い素材や処置が行われていることも関係しているということです。
セラミック治療を受ければ必ず理想の歯が手に入る
セラミック治療は審美性の高い歯を手に入れるための治療ですが、治療を受ければ必ず患者さんの理想的な歯が手に入るというわけではありません。
場合によっては、仕上がりに不満を感じたり、違和感が続いたりすることも考えられます。
例えば歯科医師とのカウンセリングが不十分だと、患者さんが思い描いていたイメージと実際の仕上がりにギャップが生まれます。
またセラミック治療後、装着感に慣れると通常通り歯として使用できますが、噛み合わせに問題が生じると顎関節症などの症状が出ることもあります。
さらに、セラミック治療では天然歯を大きく削らなければいけないため、仕上がりに納得いかなかった場合には後悔する可能性があります。
セラミックの仕上がりを理想に近づけるには、カウンセリングに時間をかけるのはもちろんのこと、信頼できる歯科クリニック選びや適切なセルフケアが必要不可欠です。
まとめ
セラミック治療を受けるのであれば、前もって間違った認識を改めておかなければいけません。
またメリットだけでなく、デメリットも理解した上で治療を検討することが大切です。
もし自身での情報収集に限界を感じているのであれば、歯科クリニックに相談だけでもしてみましょう。
歯科医師は、メリットだけでなくデメリットも含めたセラミック治療の詳細について教えてくれます。