セラミックを使用した審美治療にはいくつかの種類があり、代表的なものにはセラミック治療やセラミック矯正が挙げられます。
これらはいずれも人気の治療ですが、目的や内容などは微妙に異なります。
今回は、セラミック治療とセラミック矯正のどこが違うのかについて解説します。
セラミック治療とセラミック矯正の違い3選
セラミック治療とセラミック矯正には、主に以下のような違いがあります。
・治療目的
・治療内容
・メリット
各項目について詳しく説明します。
治療目的
セラミック治療とセラミック矯正とでは、まず治療の目的が異なります。
セラミック治療は、虫歯治療を行ったときや、欠けた歯の修復を行う際、歯の色や形を改善することが目的です。
一般的には、虫歯治療時に銀歯やレジンといった保険診療の詰め物の代わりに、セラミックが装着されるというケースが多いです。
一方セラミック矯正は、矯正治療の一種であるため、あくまで歯並びを整えることが目的です。
そのため、虫歯治療に伴って行われるものではありません。
代表的な矯正治療には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などがあります。
これらはいずれも矯正装置を使用するものですが、セラミック矯正は一切矯正装置を使用しません。
歯を削ることで歯並びの改善を図るものであるため、矯正治療の中でも異質な存在と言えます。
治療内容
治療内容についても、当然セラミック治療とセラミック矯正とでは違いがあります。
セラミック治療では、まず虫歯になってしまった部分や変色した部分などを削ります。
その後、セラミックの被せ物や詰め物を装着します。
これにより、審美性の高い歯が手に入ります。
一方、セラミック矯正では歯の表面を少しだけ切削し、セラミックの被せ物を装着します。
こうすることで、歯並びが整ったように見せることが可能です。
歯を移動させるわけではなく、あくまで歯を削って形を変えるというところに大きな特徴があります。
メリット
さまざまな違いがあるセラミック治療とセラミック矯正は、当然メリットも異なります。
セラミック矯正の一番のメリットは、やはり天然歯に近い歯を手に入れられるという点です。
歯の見た目を改善することが目的であるため、このメリットがあるだけでも十分意義のある治療だと言えます。
これに対しセラミック矯正には、矯正治療としてのメリットも多々あります。
セラミック矯正は矯正装置を使用しない上に、歯を移動させることもありません。
歯そのものの形を変えることにより、歯並びの改善を目指すものです。
そのため、矯正治療の中では圧倒的に治療期間が短いです。
通常のワイヤー矯正などは、短くても1年以上の治療期間を要します。
一方セラミック矯正は、数回の治療で歯並びを整えることが可能です。
さらに、矯正装置を装着することによる見た目の変化とも無縁です。
セラミック治療とセラミック矯正の共通点
セラミック治療とセラミック矯正には、共通している点もいくつかあります。
まず、どちらも口元の印象を良くする治療だという点は共通しています。
アプローチは異なるものの、歯の見た目がキレイになったり、歯並びが整ったりすると、必然的に口元の印象は良くなります。
その結果、人目を気にせず笑顔になったり、大きく口を開けて会話したりできるようになることもあります。
また素材にセラミックを使用しているため、金属アレルギーのリスクが低いというのも共通点です。
セラミックは基本的に金属を使用しないため、金属アレルギーを持つ方でも安心して治療を受けることができます。
金属を使用する素材では、金属イオンが歯茎に溶け出し、黒く変色させてしまうメタルタトゥーのリスクも高まりますが、セラミックにはこのような心配もありません。
さらに、虫歯の再発リスクが低いという共通点もあります。
セラミックは歯との接着性が極めて高いため、隙間ができにくいです。
このことから、歯の内部に虫歯菌が入り込むリスクが低く、二次虫歯を防ぎやすくなります。
セラミック治療やセラミック矯正が向いていない人
セラミック治療、セラミック矯正のいずれも向いていないのは、重度の歯周病がある方です。
歯茎の健康状態が悪く歯が動揺していると、セラミックを安定して装着できないため、まずは歯周病治療を受ける必要があります。
また健康な歯を削ることに抵抗がある方も、セラミック治療やセラミック矯正は向いていません。
ちなみに、これらの治療はいずれも保険が適用されない自由診療です。
そのため、経済的な余裕が少ない方も、別の治療を検討した方が良いと言えます。
まとめ
セラミックは歯科材料の中でもかなり高品質の部類に入ります。
そのため、歯の色や形をキレイにしたり、歯並びを整えたりするには打ってつけの素材だと言えます。
しかし、歯の見た目や歯並びを改善する治療は、他にもたくさんあります。
セラミック治療やセラミック矯正を受けたい場合でも、別の選択肢について検討し、おおむね理解した上でどの治療を受けるのか最終的な判断を下しましょう。