セラミック治療は、1本の歯であれば2週間~1ヶ月程度の期間をかけて行うものです。
通院回数でいうと、2~4回程度になることが多いです。
しかし、場合によっては最後まで治療を行うことができず、中止しなければいけないこともあります。
今回は、セラミック治療を中止せざるを得ない状況について解説します。
セラミック治療を中止せざるを得ない状況5選
セラミック治療を中止せざるを得ない状況には、主に以下のような状況が該当します。
・重度の虫歯、歯周病を発症した
・噛み合わせの問題が見つかった
・治療費の支払いが難しくなった
・長期の出張を行うことになった
・歯科医師との信頼関係が崩れた
各項目について詳しく説明します。
重度の虫歯、歯周病を発症した
セラミック治療中、重度の虫歯や歯周病を発症した場合、治療を中止しなければいけない可能性が高いです。
虫歯の進行が重度であり、歯の大部分が失われている場合、セラミックを取り付けるための十分な歯質が残っていません。
このようなケースでは、治療計画の見直しや中止が必要になることがあります。
また虫歯と同じく、歯周病が進行している場合も、歯を支える骨が溶けてしまうため、セラミックの詰め物や被せ物で修復しても土台が不安定になります。
セラミック治療期間中、急激に虫歯や歯周病が進行することは稀ですが、治療前の段階での検査がおろそかだった場合は深刻化することがあります。
噛み合わせの問題が見つかった
セラミック治療前には、歯科医師によって口内環境の検査が行われ、セラミック治療を受けるのに相応しい状況がどうかチェックされます。
しかし検査の段階で噛み合わせの問題を見つけられず、それがセラミック治療の開始後に発覚した場合、治療を中止しなければいけない可能性があります。
セラミックを装着する際は、当然現在の噛み合わせを考慮した補綴物が作製されます。
しかし、セラミック治療によって噛み合わせを改善しようと考える方の中には、それだけでは解決できない深刻な問題を抱えていることがあります。
例えば骨格的な問題が原因で噛み合わせが悪化している場合、セラミック治療で解決するのは難しいです。
このようなケースでは、矯正治療など別の治療に切り替えるために、セラミック治療を中止することがあります。
治療費の支払いが苦しくなった
患者さんにおける治療費の支払いが苦しくなった場合も、セラミック治療を中止しなければいけない可能性があります。
セラミック治療は審美歯科治療の一つであり、残念ながら保険が適用されません。
そのため、保険診療と比べて高額な費用がかかります。
具体的な金額は歯科クリニックによって異なりますが、詰め物の場合でも数万円はかかりますし、被せ物であれば数十万円かかるケースも珍しくありません。
このことから、治療の途中で経済的な事情により、セラミック治療の費用を支払うのが難しくなるということは起こり得ます。
長期の出張を行うことになった
セラミック治療中、長期の出張を行うことになった場合も、一度治療を中止せざるを得ません。
例えば短期間の出張であれば、次回の治療までに帰って来られる可能性があります。
しかし長期の出張となると、短くても数ヶ月程度は歯科クリニックの近所から離れることになります。
そのため、当初の予定通り歯科クリニックに通うことができません。
またセラミック治療だけに限らず、歯科クリニックで行われる歯科治療は、最初にある程度治療計画が立てられています。
その治療計画に沿って進める形になるため、患者さんが数ヶ月出張をするからといって、それに合わせて数ヶ月治療を遅らせるというのは難しいです。
このようなケースでは、治療を中止するしかないことが多いです。
歯科医師との信頼関係が崩れた
セラミック治療を受ける歯科クリニックに置いて、歯科医師との信頼関係が崩れてしまった場合も、治療を継続するのは難しいでしょう。
具体的には治療方針や説明に関し、歯科医師と患者さんとの間で意見の食い違いが生じたとき、信頼関係が失われて治療のモチベーションは低下します。
また歯科医師も人間であるため、当然患者さんの中には性格や態度、話し方などが合わないと感じる方もいるかと思います。
このようなケースでも、安心してセラミック治療を任せることができず、中止せざるを得ないことがあります。
ちなみにセラミック治療の途中経過を確認したとき、まったく患者さんの思い通りに進んでいない場合も、信頼関係が崩壊して治療を続けるのが難しくなることがあります。
まとめ
セラミック治療を中止せざるを得ない状況を避けるには、事前のカウンセリングを徹底し、納得した上で治療を始めることが大切です。
また信頼できる歯科クリニックを選ぶことや、場合によってはセカンドオピニオンを行うことも検討しましょう。
さらにセラミック治療を受けるタイミングや費用は、少し余裕を持って数ヶ月程度治療を受けることを見越して決定したり、準備したりすることが大切です。