セラミック治療は、本来そこまで時間のかかる治療ではありません。
一般的には、1本につき2週間~1ヶ月程度で完了することが多いです。
しかし場合によっては、なかなかセラミック治療を開始できず、時間がかかってしまうこともあります。
今回は、セラミック治療の開始が遅れる理由について解説します。
セラミック治療の開始が遅れる理由6選
以下のケースに該当する場合、なかなかセラミック治療が始まらないことにつながります。
・虫歯がある
・歯周病がある
・歯ぎしりや食いしばりがある
・歯並びの不正が大きい
・歯を削ることに抵抗がある
・歯科クリニック選びが難航している
各項目について詳しく説明します。
虫歯がある
虫歯を発症している場合、当然ですがそのままセラミック治療を受けることはできません。
そのため、必然的にセラミック治療の開始が遅れます。
セラミックの土台となる天然歯に虫歯がある場合、その虫歯を放置してセラミックを装着すると、虫歯が進行して痛みが出たりセラミックが早くダメになったりします。
これを防ぐために虫歯をキレイに削り、治療が完了してからセラミック治療を行います。
ただし、セラミック治療は虫歯治療とあわせて行われるケースがほとんどです。
つまり虫歯を削り、その部分にセラミックを装着することをすべて含めて、セラミック治療と考えるケースが多いということです。
よって人によっては、先に虫歯を治療することについて“セラミック治療の開始が遅れた”と感じないこともあります。
歯周病がある
歯周病がある方も、セラミック治療の開始は遅れます。
こちらは虫歯治療とは違い、明確にセラミック治療とは別の治療を受けなければいけないため、確実に開始時期は遅くなります。
歯周病が進行すると、歯槽骨を溶かして歯がグラグラの状態になります。
土台となる歯が不安定な状態だと、セラミックの被せ物を安全に削って装着することが難しくなります。
また歯周病で歯茎の状態が悪いと、精密な型取りが困難になり、治療の精度が低下するおそれもあります。
そのため、歯周病治療は前もって受けなければいけません。
ちなみに極めて初期段階の歯周病であれば、セラミックに与える影響が少なく、そのままセラミック治療を受けられることも考えられます。
逆に重度の歯周病を患っている場合、基本的なスケーリングなどでは解決せず、外科的治療を行わなければいけないこともあります。
歯ぎしりや食いしばりがある
歯ぎしりや食いしばりがある方も、セラミック治療を受ける前に改善しなければいけないため、治療の開始は遅れやすいです。
セラミックはある程度の強度を持っているものの、瞬間的な力には弱いです。
そのため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある状態で口内に装着すると、衝撃で割れてしまうリスクが高まります。
このことから、事前にある程度歯ぎしりや食いしばりの癖を改善させておかなければいけません。
また歯ぎしりや食いしばりの改善には、薬などによってストレスを軽減させたり、ナイトガードというマウスピースを装着したりする方法があります。
歯並びの不正が大きい
歯並びの不正が明らかに大きい方も、セラミック治療を受けるまでにはかなりの時間がかかってしまいます。
セラミック治療は、歯の形状や色などを整えることができますが、歯の根元の位置を動かすことはできません。
そのため、歯列不正が大きい場合には不向きです。
またこのような場合、先に矯正治療を受けなければいけない可能性があります。
矯正治療は、根元から歯を動かして歯列を整える治療であり、セラミック治療では対応できない不正咬合も改善できることが考えられます。
ただし矯正治療は最低でも1年以上はかかる治療であるため、その後セラミック治療を受ける予定なのであれば、かなり開始は遅れてしまいます。
歯を削ることに抵抗がある
歯を削ることに抵抗がある方は、セラミック治療を受けることを決断できず、開始時期が遅れる可能性があります。
セラミック治療を受ける場合、セラミックの厚みを確保するために、ある程度健康な歯を削らなければいけません。
健康な歯は本来削る必要がないものであるため、このような口内環境の変化を受け入れられる場合のみ、セラミック治療を受けられます。
歯科クリニック選びが難航している
セラミック治療を安全に受けるには、歯科クリニック選びを慎重に行う必要があります。
ただし、あまりにも歯科クリニックが決まらない場合、本来予定していた時期よりも治療の開始時期がかなりずれ込むことが考えられます。
そのため、治療を始めようとするかなり前から情報収集をしておき、歯科クリニック選びが難航しないように注意しましょう。
まとめ
セラミック治療は、口内の問題が特にない場合であれば、すぐにでも始められる可能性が高いです。
しかし虫歯や歯周病を発症していたり、極端に歯並びが悪かったりする場合、どうしても治療の開始時期は遅れてしまいます。
ちなみにセラミックに対してアレルギーがある方や、妊娠中の方などは、セラミック治療を受けられない可能性も高いため、注意してください。

