セラミック治療を行った後は、虫歯に侵されていた部分が治るだけでなく、審美性や機能性に優れた歯が手に入ります。
しかし、治療を受けたことにより、噛み合わせに違和感を覚えてしまうというケースもあります。
今回は、セラミック治療後に噛み合わせが悪化する原因や対処法について解説します。
セラミック治療後に噛み合わせが悪化する原因4選
主に以下の原因により、セラミック治療前よりも後の方が噛み合わせは悪くなってしまうことがあります。
・噛み合わせの調整不足
・歯ぎしり、食いしばり
・顎の位置の変化
・セラミックの材質や適合の問題
各項目について詳しく説明します。
噛み合わせの調整不足
セラミック治療中の段階において、噛み合わせの調整不足が見られる場合、治療後の噛み合わせも悪くなってしまうことがあります。
セラミックは、治療する天然歯とは異なる大きさや形状であるため、噛み合わせがずれることがあります。
特に、仮歯の期間に噛み合わせの調整が不足していると、完成したセラミックを装着するときに噛み合わせが悪くなってしまう可能性があります。
また調整不足の主な原因は、患者さんの怠慢もしくは歯科医師の技術不足です。
仮歯で特に問題なく過ごせているという場合でも、患者さんは歯科医師の指示通りの頻度で噛み合わせを調整しなければいけません。
しかし、面倒になって通院しなくなると、その間にセラミックと天然歯の適合性が下がってしまいます。
さらに通院している歯科クリニックがセラミックを専門としておらず、調整の技術があまり高くない場合も、調整不足になることがあります。
歯ぎしり、食いしばり
セラミック治療後、当初は上下の歯がしっかり噛み合っていたにもかかわらず、次第に噛み合わせが悪化してくるというケースがあります。
このようなケースでは、患者さんが歯ぎしりや食いしばりを行っている可能性があります。
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、セラミックに過剰な力が加わり、割れたり欠けたりする原因になります。
またセラミックが破損した状態だと、高さが変わってしまい、元々くっついていた対抗歯とくっつかなくなることがあります。
つまり、セラミックの歯とその対抗歯との間に隙間ができるということです。
このような噛み合わせになると、当然歯の見た目は変化してしまいますし、食事や会話といった日常の習慣にも悪影響が及びます。
顎の位置の変化
セラミック治療を受ける前の状態で、顎の位置がずれている場合、治療後にはさらに症状が悪化することがあります。
元々歯並びが良くない方は、顎の左右差がある場合もあり、セラミック治療を受けることでさらにその左右差が大きくなることが考えられます。
また顎の位置がずれるほど、その上にある歯の位置もずれるため、必然的に噛み合わせは悪化しやすくなります。
そのため、セラミック治療前の検査において、顎の位置に異常がないかどうか確認しておかなければいけません。
セラミックの材質や適合の問題
セラミック治療は、高度な技術によってセラミックを切削し、天然歯との高さを合わせて噛み合わせへの影響を減らします。
しかしセラミックに厚みが足りなかったり、天然歯との接着が弱かったりすると、治療後に噛み合わせの力が加わったとき、破損しやすくなります。
セラミックが破損することで噛み合わせが悪化する仕組みは、2つ前の項目で説明した通りです。
このようないわゆる治療の失敗は、セラミックに特化した歯科クリニックではほとんど起こりません。
しかし、あくまで診療メニューの一つとしてセラミック治療を提供している歯科クリニックの場合、実績や症例が少なければこのようなミスが起こり得ます。
セラミック治療後に噛み合わせが悪化した場合の対処法
セラミック治療後、明らかに噛み合わせの違和感が大きくなったという場合は、真っ先に歯科クリニックを訪れなければいけません。
治療が完了した後であっても、歯科クリニックであればセラミックの調整ができます。
また歯ぎしりや食いしばりについては、セラミック後から始まることも考えられます。
もし顎が痛いなど、歯ぎしりや食いしばりとおぼしき症状がある場合は、歯科クリニックでマウスピースを作製してもらいましょう。
ナイトガードやスプリントは、就寝中に起こる歯ぎしりや食いしばりによるセラミックへのダメージを軽減してくれます。
ちなみに、セラミックの破損などが著しく大きい場合は、セラミック治療をやり直すことで噛み合わせの悪化も改善できる可能性があります。
しかしセラミック治療は天然歯を大きく削るため、場合によっては適用できないこともあります。
まとめ
セラミック治療を受けたことですべて満足してしまい、治療後のケアを怠るというケースはよくあります。
また治療前に口内や口周りの問題を解決しないまま、セラミック治療を受けてしまうという方も多いです。
これらはすべて、セラミック治療によって噛み合わせが悪くなる原因であるため、該当しないように注意しなければいけません。