虫歯になった歯は、治療すれば二度と虫歯になることはない、と思うかもしれません。
しかし、そんなことはなく、一度虫歯になった歯が再び虫歯になるケースはよくあります。
虫歯が再発することを2次う蝕といいますが、2次う蝕を予防したい場合にはどうすればいいのでしょうか?
2次う蝕を予防する方法について解説します。
2次う蝕を予防するには?
虫歯の治療をする時は、虫歯に感染している部分を削り取り、穴が開いたところはインレーやクラウンなどの補綴物で補います。
補綴物が穴をふさぐことによって、内部には食べ物のかすや虫歯の原因となる細菌が侵入できなくなります。
しかし、補綴物で穴を塞いでも、その部分が再び虫歯になるケースはよくあります。
虫歯が再発する2次う蝕は最初の虫歯よりも歯がもろくなり、歯を失うリスクも高くなるため、できるだけ避けたいものです。
虫歯の再発を防ぐためには、虫歯の原因の磨き残しが残らないよう、丁寧に磨くことが大切です。
普段からしっかり磨いているという人も、より丁寧に磨くよう気をつけましょう。
歯ブラシだけでは、歯の側面や裏側などで磨き方が不十分になるかもしれません。
すみずみまで磨き残しがないようにするには、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使用するのがおすすめです。
また、食後の歯磨きについても気を付けたい点があります。
それは早めに歯を磨くことです。
食事をしてから歯を磨くまでの間、歯には汚れがあり、虫歯の原因菌も動きやすくなっています。
例えば、8時に夕飯を食べて12時に歯を磨いて寝るという場合は、歯を磨かずに過ごしている4時間の間、虫歯の原因菌が活発に動き、歯を溶かしています。
昼食の後も、気を付けなくてはならないタイミングです。
昼食後は歯を磨かないという人も少なくありませんが、日中でも虫歯の原因菌は活発に動いているため、歯が溶けてしまいます。
虫歯の原因菌が活発に活動するのを阻止するためにも、食後はなるべく早く歯を磨くことが大切です。
補綴物で虫歯予防
2次う蝕が起こるかどうかは、虫歯の治療で装着する補綴物によっても左右されます。
なぜなら、補綴物の種類によって、2次う蝕のしやすさに違いがあるためです。
一般的な補綴物は、保険が適用される金銀パラジウム合金製の銀歯です。
銀歯は2次う蝕が起こりやすい補綴物といえます。
変形・劣化しやすいため、穴が空いたり隙間ができたりするケースが珍しくありません。
隙間ができると、補綴物の中に食べかすやプラーク、虫歯の原因菌などが入り込んでしまい、虫歯が発生します。
2次う蝕を防ぐには、変形したり破損したりすることが少ない補綴物を選ぶことが大切です。
特におすすめするのは、セラミックでできた補綴物です。
セラミック製の補綴物は、歯の形に合わせて隙間ができないように作製されます。
また、金属製の補綴物とは異なり変形することはなく、劣化もしないため、入り込む穴が開くようなことはありません。
セラミッククラウンは、装着する際に歯面をきれいに清掃し、内側に薬剤を塗布したらレジンセメントを入れて接着します。
歯とクラウンとの間に全くと言っていいほど隙間が生じないため、2次う蝕を防ぐことが可能です。
セラミックには、全てセラミックでできたオールセラミック以外にも、いくつかの種類があります。
内部が金属製のメタルボンドやジルコニアを使用したジルコニアセラミック、レジンとセラミックを混ぜたハイブリッドセラミックなどが挙げられます。
同じセラミックとはいえ、素材によって強度や審美性、価格などが異なることに注意が必要です。
セラミックは自由診療なので全額自己負担となり、治療費が高額になりやすいため、納得できる価格と性能のものを選ぶようにしてください。
また、定期的にメンテナンスを受ける必要もあります。
高額な治療費を支払うことになるので、長く使い続けられるようにしておくことが大切です。
さらに、定期検診を受けて虫歯になりかかっている歯などを早期に発見し、処置していくことも大切です。
クリーニングも同時に受けて、セルフケアでは落としきれない汚れもすみずみまで落としましょう。
2次う蝕を防ぐためには、日常のケアが大切です。
補綴物の内側で進行する2次う蝕は、こまめにチェックしなければ発見することができません。
特に、神経を抜いている歯は痛みがないため、膿が溜まったり他の歯に感染したりするまでは、気づかないこともよくあります。
きちんと検診を受けて、早く発見できるようにしましょう。
まとめ
一度虫歯になった場合でも、再び虫歯になる可能性は十分にあります。
特に銀歯を被せものや詰めものにしている場合には、変形や破損によってできた隙間から細菌や糖質が侵入し、虫歯が再発するリスクが高くなります。
歯に付いた汚れの中でも、隙間に付いたものは歯磨きで落としきれないため、歯間ブラシなどを使用してきちんと落としましょう。
また、クリーニングなども定期的に受けてください。