セラミック治療は美しい人工歯を装着する治療ですが、その美しさは永遠に維持できるわけではありません。
治療後のブラッシングを怠っていると、素材の劣化や二次虫歯のリスクは高くなります。
今回は、セラミック治療後に行うブラッシングの方法や、使用するデンタルケアグッズなどのポイントを解説します。
セラミック治療後のブラッシングにおけるポイント4選
一度セラミックの歯を手に入れた方は、そこで満足してしまうかもしれませんが、セルフケアは装着後もずっと継続しなければいけません。
また治療後のブラッシングにおけるポイントには、主に以下のことが挙げられます。
・正しい歯ブラシの持ち方と磨き方を意識する
・やわらかい歯ブラシを使用する
・研磨剤不使用の歯磨き粉を使用する
・デンタルフロスを使用する
各項目について詳しく説明します。
正しい歯ブラシの持ち方と磨き方を意識する
セラミック治療後のブラッシングでは、正し歯ブラシの持ち方、磨き方を意識しなければいけません。
持ち方については、ペンを持つときのペングリップと呼ばれる持ち方にします。
こうすることで、変に力が入りすぎず、なおかつ歯ブラシを操作しやすくなります。
また磨き方については、とにかく細かく動かすことが大切です。
小さい幅で毛先を動かすことにより、歯と歯茎の境目にしっかり歯ブラシが当たり、磨き残しを防ぎやすくなります。
やわらかい歯ブラシを使用する
セラミック治療後のブラッシングでは、使用するデンタルケアグッズの選択も大事になってきます。
歯ブラシについては、毛先が硬いものを使用せず、ふつうもしくはやわらかめのものを選びましょう。
やわらかめの歯ブラシであれば、セラミックの表面に微細な傷がつき、将来破損を引き起こすリスクを軽減できます。
またやわらかい歯ブラシであっても、長期間同じものを使用し続けるのは良くありません。
1ヶ月に1回は交換し、毛先がまっすぐな状態の歯ブラシでケアをする必要があります。
研磨剤不使用の歯磨き粉を使用する
先ほど歯ブラシは毛先がやわらかいものがおすすめと言いましたが、歯磨き粉については研磨剤が含まれていないものを使用すべきです。
こちらもやわらかい歯ブラシと同じく、セラミックに与えるダメージを軽減できることが理由です。
研磨剤入りの歯磨き粉は、ヤニやお茶、コーヒーなどの着色汚れを除去することができます。
しかし同時に歯が傷つくリスクがあり、セラミックに傷がつくと破損しやすくなるだけでなく、傷にプラークが入り込んで取りづらくなるおそれもあります。
ちなみにもっともおすすめなのは研磨剤不使用のジェル歯磨き粉であり、こちらは歯に密着しやすいため、フッ素などの薬用成分が口内に留まりやすいという特徴があります。
デンタルフロスを使用する
セラミック治療後のセルフケアを徹底する場合、使用するアイテムは歯ブラシと歯磨き粉だけでは不十分です。
より汚れを除去しやすくするために、デンタルフロスも併用すべきです。
デンタルフロスは、歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間を清掃するものです。
弾力のある細いナイロンのフィラメントを複数合わせてつくられたもので、主に糸巻きタイプとホルダー付きタイプの2つに分かれます。
また歯ブラシだけでブラッシングした場合、歯と歯の間の汚れは6割程度しか清掃できないと言われていますが、デンタルフロスを使用すればそれが9割にまで跳ね上がります。
歯科クリニックでブラッシング指導を受けるのも大切
患者さんは、歯科クリニックより自宅にいる時間の方が圧倒的に長いため、ブラッシングなどのセルフケアには特に力を入れなければいけません。
しかし、歯科クリニックでメンテナンスを受けることも大切であり、このときにはブラッシング指導もあわせて受けることをおすすめします。
ブラッシング指導は、患者さんが正しいブラッシングを学ぶために必要なものであり、歯科医師や歯科衛生士が適切なテクニックを指導してくれます。
これにより、特に歯と歯の間や歯茎との境目など、磨きにくい部分のブラッシング方法はマスターすべきだと言えます。
仮歯のブラッシングにはまた別のポイントがある
セラミック治療を行う場合、セラミックの歯が完成するまでの間、仮歯を入れて過ごすことになります。
また仮歯のブラッシングでは、また別のポイントがあります。
特に気を付けたいのが、デンタルフロスを使用する場合です。
仮歯の装着期間中は、デンタルフロスを抜き取るとき、上向きに抜き取らないようにしましょう。
仮歯の縁にフロスが引っかかった状態で縦向きに抜き取ろうとすると、仮歯が外れてしまうおそれがあります。
まとめ
せっかくセラミック治療を受けるのであれば、治療後もできる限り良い状態をキープしたいところです。
もし破損などの不具合が生じたら、再治療を受けなければいけませんし、その場合は時間も費用もかかります。
またセラミックの歯のブラッシングは、他の天然歯における虫歯や歯周病予防にもつながるため、精力的に行うことをおすすめします。