セラミック治療は、陶材を用いた詰め物、被せ物を装着する治療です。
虫歯を削った後の詰め物や被せ物の他、外傷後の被せ物などにも採用されています。
では、セラミック治療を完了するまでには、どれくらいの通院回数と期間が必要なのでしょうか?
今回は、セラミック治療期間中の過ごし方とあわせて解説します。
セラミック治療の通院回数
セラミック治療を行う場合、神経の治療が必要かどうかで通院回数が変わってきます。
神経の治療が必要ない詰め物の場合は、3回ほど通院すれば治療が完了するケースが多いです。
一方神経の治療も必要な場合は、神経の治療のみで平均3~5回、土台の型取りや被せ物の型取りで3~4回通院する必要があります。
つまり、一般的に6~9回は通院しなければいけないということです。
ちなみに、セラミック治療の被せ物の場合は、歯茎の状態を整えるために仮歯を装着する期間があります。
セラミック治療の治療期間
セラミック治療の治療期間は、歯1本につき2~3週間ほどかかるのが一般的です。
治療する歯の本数が複数本になると、治療期間も1~3ヶ月と長くなります。
ただし、これらの期間は歯の神経の処置が必要なく、順調に治療が進んだ場合の治療期間です。
前述したように、セラミックを被せる際に神経の処置が必要な場合は、複数回かけて治療を行うため、トータルの治療期間は数ヶ月に及ぶことがあります。
そのため、ある程度歯科クリニックを訪れる時間を確保しなければ、セラミック治療を始めるのは難しくなることも考えられます。
セラミック治療の一般的な流れ
セラミック治療は、一般的に1ヶ月前後の期間をかけて、以下のような流れで行います。
・カウンセリング
・見積もりと治療プランの決定
・神経の処置、ホワイトニング
・土台を立てて歯並びを整える
・セラミックを装着する
各項目について詳しく説明します。
カウンセリング
歯科クリニックを訪れ、歯科医師にセラミック治療の希望を伝えます。
このとき、自身に合った理想の口元について、歯科医師からアドバイスを受けられることもあります。
見積もりと治療プランの決定
患者さんの希望をもとに、セラミック治療の見積もりと治療プランが作成されます。
同じ患者さんの希望や現状でも、歯科クリニックによって作成される見積もりや治療プランが異なります。
患者さんは、納得いくまでこれらの内容について相談し、方向性を固めます。
神経の処置、ホワイトニング
必要に応じて、歯の神経の処置やホワイトニングが行われます。
これらの治療は、カウンセリングや見積もり・治療プランを作成した翌日以降に行われるケースが多いです。
先に神経の処置を行い、同時進行で他の歯にホワイトニングの治療を行います。
ホワイトニングは、完成後のセラミックが浮いてしまわないように、天然歯をセラミックの色に合わせることを目的に行われます。
また希望の白さになるまでには、3~4回ほどのオフィスホワイトニングが必要になることもあります。
土台を立てて歯並びを整える
神経の処置を受けた場合は、治療した箇所に土台を立てます。
土台の上には仮歯をセットし、細かい調整を行いながら、しばらくの間経過を観察します。
セラミックを装着する
仮歯のまま様子を見た後、歯科医師がOKと判断すれば、本番用のセラミックを作成します。
こちらを装着すれば、セラミック治療は完了です。
セラミック治療における仮歯のメリット
セラミック治療では、セラミックの歯が完成するまでの間、仮歯を装着して過ごします。
こちらの仮歯には、主に以下のようなメリットがあります。
・見た目が良くなる
・口内の変化を防げる
・外部刺激から守れる
セラミック治療中に歯が欠けていると、見た目の印象が大きく変わります。
その点、仮歯は天然歯とよく似ているため、装着することで見た目の問題をカバーできます。
また歯を失った状態だと、歯が空いている部分に移動したり、歯茎が覆いかぶさったりする可能性があります。
仮歯で隙間を埋めておけば、こういった口腔内の変化が起こる心配もありません。
ちなみに、仮歯は治療箇所を外部刺激から守る役割も持っています。
仮歯を使用する際の注意点
仮歯はあくまでも仮の歯であるため、自身の歯やセラミックの歯のように使用できるわけではありません。
そのため、仮歯の使用期間中は、硬い食べ物や粘着性のある食べ物に注意しましょう。
これらの食べ物を食べると、仮歯が外れたり破損したりするリスクが高まります。
また仮歯自体はケアをしなくても虫歯にはなりませんが、ブラッシングを怠れば周囲の組織で細菌が繁殖し、虫歯や歯周病が発生する可能性があります。
まとめ
セラミック治療は、スピーディーに治療が完了することもあれば、患者さんが思っていたより時間がかかることもあります。
そのため、カウンセリングの時点で大体の通院回数、治療期間などについては聞いておきましょう。
もちろん、歯科医師側から説明があるかと思いますが、気になる点については患者さんからも遠慮なく質問してください。